ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

中国がカリフォルニアに 中国が豪州で

 かつての職場の先輩のブログ(こちら)に面白いエントリーがあって、驚いた。
 それは今月7日付のNew York Timesの「China Is Eager to Bring High-Speed Rail Expertise to the U.S.(こちら)」という記事である。
 なにしろついこの前まで自国内の高速鉄道をどこから買おうかとやっていた中国が今やよそから買ってくるどころか、外国に中国の技術を使って高速鉄道を建設するというのである。
 この記事の書き出しにもあるように、「中国人と鉄道」といったら米国の大陸横断鉄道は中国人の非熟練労働者なくしては建設できなかったことを考えると隔世の感があるだろう!というものである。尤もその後中国人排斥運動が起こり、代わりに入ったのが日本人で、そうなったら今度はYellow Perilってな排斥運動に繋がったことはよく知られている。
 その中国が今度はカリフォルニア州政府と米国の巨大企業General Electricと調印したのだそうで、もっと驚くことにこの高速鉄道の建設費に融資するというのである。米国が中国に融資するんじゃない、中国が米国に融資するんだというのである。あぁ、こんな大きな変化を見るだなんて、長生きしてきて良かったというか、米国人の元ビジネスマンは「長生きしなきゃ良かった」と苦虫を噛みしめているかもしれない。
 この記事を見ると中国はTurkey, Venezuela and Saudi Arabiaでも高速鉄道建設に着手しているというのだ。
 時代は確実に変わった。これは明らかだ。「なになに、そんなこと云ったって、レベルはまだまだ低いんだろ?」といっているうちにおいて行かれちゃうのである。
 しかし、ここでひと言苦言。そんな金があるんだったら、グレート・バリア・リーフ重油をぶん撒いた石炭運搬船の後始末にまず金を使え。あれは、禁止されているルートを取った船に完全に責任がある。珊瑚礁にはこの船がガリガリと珊瑚を引き摺り、壊して通った跡がついていたんだそうだ。みんなで抗議のメールを投げよう!
 もちろんあっちとこっちはセクションが違うのはよぉ〜くわかっているけれど、「どうだ参ったか!」という雰囲気のステートメントに対して文句をつけたくなる気持ちはかつて良く米国人が日本人に持った感情と同じだろうな。
 平気で珊瑚礁の中に大きな石炭運搬船を乗り入れていく船乗りの倫理観はむちゃくちゃで、百叩きに相当する。豪州連邦政府はどう決着をつけるのだろうか。今や日本を抜いて第一位の輸出先にならんとしている中国に対して、大親中国派のケビン・ラッド首相はどんなスタンスを取るのだろうか。