ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

質素

 周りにものが溢れる社会に暮らしていると、質素で最低限のレベルの暮らしをしていく、ということがある種の賢明さを表しているように見えることがある。私の周りにそんな雰囲気がちょろちょろと顔を出したりしていたのは60年代くらいからの話だったような気がする。
 価値観を共有できる人たちだけで集まって暮らしていけば、周りとの齟齬も少なくなって暮らしやすくなり、そのうちその動きが普遍化するかも知れない、なんて。しかし、あっさりと既成社会の価値観におぼれて終わったね。その時点では懐にもなぁんにも金はなかったけれど、とにかく食いっぱぐれる畏れはなくなった。
 そのうちに文明の利器に頼らない、自分の足でどこまでもたどるという考えにとりつかれた。背負子を入手して歩いた。あれはいつ、忘れてしまったんだろう。
 それもこれも、多分自分が経済的な確実性を確保していたからこそ思い立ったことだったというわけで、結構卑怯者なんである。
 そういわれてみると、今の世代の人たちもスッキリ、さっぱりした生活を送っていて、しかもそれをちゃんと記録に残している人たちがいて、そんなサイトを見ると、いやぁ、羨ましいなぁと思う。で、よく考えてみると、皆さん、結構お高い武器をお持ちなんである。デジイチの仕上がり具合なんて見せて戴いていると、そりゃ入門機なんかじゃないなぁと思わせる。
 なんだかんだいっても時代が違っているのだな、確実に。