ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

白状シリーズ その2

 え〜っと、本当のことをいうと、この歳に至るまで本当の江戸前の鮨、ってものを食べたことは数えるほどしかない。せいぜい、蛤、穴子、シンコ、漬け、なんてくらいかもしれない。活きの良い旨い魚を握って貰ったことは何度もあるけれど。
 子どもの頃、わが家では鮨といったら近所のおかめ寿司に頼んで作ってもらう助六だったなぁ。その折りを持って、川崎球場に野球を見に行くんである。長ずるに及んでいってみると、小さなこ汚い球場だったけれど、当時私の眼には光り輝く魔法のグラウンドだった。観客のどこかの親父の汚いヤジが良く聞こえてきたものだった。
 両親が足腰がなかなか自由にならなくなってきた頃、孫まで含めて親の誕生日に集まり、あの鮨屋からちらし寿司をとってみんなで会食するのを親父は随分喜んでいた。両親が死んだあとは、2-3回しただけだ。本当の江戸前を死ぬまでにもう一回食べたいと、最近、ちょっと思うようになった。そのうちにね。