ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

テレビ NHKスペシャル

 NHKスペシャル「日本人はなぜ戦争へと向かったのか 第2回 巨大組織“陸軍” 暴走のメカニズム」の再放送をようやく見た。「第1回“外交敗戦”孤立への道」は見損なってしまったし、この第2回も本放送を見逃してしまって、今日の再放送でようやく見た。録画をすべきところだった。概ね、これまで聴いていた話とあんまり異なった話ではないが、二・二六事件の分離点としての重要性については多くを割いてはいなかった。引用される証言の殆どが戦後生き残った将校が語ったテープであり、残された手紙、あるいは日記であった。
 多くの場合、将校であった、しかも中央におったという人たちの言はそのままでは信頼するに足りない。多角的に検証しなくては、どこまで客観的な事実であるのかという判断ははなはだ難しいだろうことは想像がつく。ましてやそのインタビュアーは多くの場合本人よりは歳下で、その場に居合わせたわけではないから大きなことを言う結果となることは容易に想像がつく。
 陸軍の組織、それもその時点で自らが所属する組織のためにのみ考え行動するという性向は致し方のないものであり、それが忠誠心であって、その観点からいえば今の企業という組織でも全く同じようなものとなるのだという話ははなはだわかりやすい。だから、一旦動き出した組織はそれと異なる方向、力へと動きを改めるというのは難しいと直ぐに結論づけやすい。だとしたら八ッ場ダムもしょうがないとし、上関原発もしょうがないとするのかと、霞ヶ関が決定したものはしょうがないというのかということにもつながるだろう。
 それをここで方向を変える、という期待で私たちは政権の舵を切る方向へ選択したにもかかわらず、その舵が今正に元に戻されつつあるという点を認識する必要がある。
 私たちもまた、動き出した組織をそのまま追認していくという愚を犯そうというのだろうか。