永六輔の「土曜ワイド」で銭湯の話をしているんだけれど、次から次から出てくるアイテムがすでに世の中に存在しなくなってきていることばかりで驚くばかりだ。
「三助」しかりだし、この話では三助さんの出入り口の話になって、そんなところがどこにあったんだと向島の「言問団子」の娘である外山恵理が聞く。そうか、あの扉のことを知らないんだろうなぁ。
女性の洗髪料のことももう知らない。番台で「洗髪ね！」といって金を払う。つまりいつもいつも髪の毛まで洗うわけではなかったってことだ。ビートルズの出現以来、小汚い小僧ども（つまり私たちのことだけれど）が髪の毛をもじゃもじゃと伸ばし始め、そいつらがなんで「洗髪料」を払わなくて良くて、女性だというだけで払わなくちゃならないなんて理不尽だというのが話題になったりしたものだった。
今から考えると、なんで女の髪を洗うことだけがそんなに特別料金の対象になったのか、ということになる。こういった話がどんどん訳がわからなくなってくるのが、どうもこの十年くらいで加速度が増しているような気がするのだ。下足札も「3番」はいつも埋まっていたなんてなんのことかわからなくなるんだろう。
