ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

グローバル企業だからね

  SONYという会社はCEOはウェールズ出身だけれど殆ど米国で活躍する,オックスフォード出身のハワード・ストリンガー(Sir Howard Stringer)というおっさんでエライ金額の報酬を受け取っていると云うことを聴いたことがある。
 今回は想像を絶する件数の個人情報を抜かれてしまった企業として難しい立場に立たされている。IT分野で出遅れてしまった感のあったソニーはプレイ・ステーションで盤石な立場を確保したのかと思っていたらこれだ。なにしろ7,700万人分の個人情報が持っていかれているというのだから、これこそ未曾有のハッカー事件だろう。
 ゲーム機業界は抜いたり抜かれたり状況の中にあるのだろうけれど、これでプレイ・ステーションに対する信頼は音を立てて崩れ落ちて行きつつあるといっても良いのではないだろうか。それとも利用者はそんなことどうでも良いやプレイを続けるのだろうか。
 しかし、Stringerが社外に発言したものは「米国の利用者向けのブログで初めて陳謝し、保険会社と協力して最大100万ドル(約8000万円)までクレジットカード不正利用の被害を補償する方針を示した(毎日新聞 2011年5月6日 20時22分(最終更新 5月6日 21時45分)」という内容のものだいわれている。それはひょっとしてこちらのことか。英語だけで語られている。
 つまり、この会社は日本を主市場にしているわけではないということだろう。この会社の創業者、歴代の経営者は高邁な思想を持ち、なおかつそれを体現、表現している人が不思議なくらいに続いていたのだけれど、ウォークマンがその開拓者としての使命を終えた頃からそうしたカラーが見えなくなってきたのは不思議なくらいだ。
 かつてはソニー・時間というものが語られていた。発売されたときには目新しい魅力的な機能がついたものがしばらく経つと、それに僅かながら、なるほどそれがあったらより魅力的だよなぁという機能が追加されたものが新発売され、その後には最初のものがまるで魔法が解けてしまったかのように具合が悪くなってきてしまうというものだ。それでも、追加機能が魅力的でつい、また手が出てしまう。まぁ、いってみれば今のアップルのハードみたいなものだ。そういう点ではアップルに先行すること数十年だったのかも知れない。
 ストリンガーはもう国際市場と日本の市場を同列に見てはいないことを明らかにしたのが今回の事件へのSONYのスタンスだといって良いだろう。なんとなく、ヤマハの凋落の跡を追っていくような気がしてしょうがない。