ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

イメージ操作

 東日本大震災の発生から6か月を迎えた11日、「脱原発」を求める市民らが「人間の鎖」を作って、東京・霞が関経済産業省を包囲し、「原発はいらない」「再稼働を止めろ」などと訴えた。
 主催した市民団体によると、活動には約2000人が参加。手をつないで経産省の建物を包囲したり、プラカードやのぼりを掲げて、原子力政策を巡る一連の「やらせ問題」を批判したりした。
 10日には、福島第一原子力発電所の事故を巡る不適切な言動の責任をとって、鉢呂経産相が辞意を表明したばかり。福島県三春町から都内に小学校1年の長女と自主避難している増子理香さん(41)は、「人間性を疑う。被災地と政府が信頼関係を築けないと、復興は遅れるばかり」とあきれていた。(2011年9月11日19時01分 読売新聞)

 後半は明確に原子力讀賣のイメージ操作である。

 翌日の讀賣

 東京・新宿で11日に行われた「脱原発」を訴えるデモで、警備中の機動隊員に暴行を加えるなどしたとして、警視庁は同日、デモの参加者の男11人を公務執行妨害の疑いで、デモを主催した「素人の乱」の二木信容疑者(30)を都公安条例違反の疑いでそれぞれ現行犯逮捕した。
 発表によると、男らは11日午後、東京都新宿区の路上で、警備中の機動隊員らの顔を殴るなどした疑い。二木容疑者は規定に反し、車道で行進していたデモの隊列を歩道にまで広げた疑い。
 JR新宿駅周辺で行われたこのデモには約2200人が参加し、「原発はいらない」などと訴えた。(2011年9月12日00時20分 読売新聞)

 この公務執行妨害という容疑名は権利側の先兵である公安警察にとって非常に便利な言葉で、極端なことをいったらどんなことでもそれで引っ張ることができる。いや、本来的にはもちろんそんなことをしてはいけないのだけれど、そうした容疑があったといえばよい。そしてぎりぎりまで拘留して最後は容疑不十分で放り出せば、それだけでその容疑者ひとりではなくて、その周辺が怯えて懲りるだろうと思っている。こういうところはグアンタナモの米軍と寸分変わりない。
 ここで讀賣が書いている「機動隊員らの顔を殴る」という表現はおそらくというか、確実に警察発表のままだろう。しかし、大讀賣新聞の読者はこの新聞が書いていることを鵜呑みにすることだろう。


ちなみに産経新聞がこれをどの様に報じているのかを記しておこう。

「反原発」デモで12人を逮捕 警視庁
 東京都内で行われた「反原発」を訴えるデモで、警備する警察官の指示に従わず、隊列を広げるなどしたとして、警視庁公安部は11日、公安条例違反などの現行犯で、住所不定、自称二木信容疑者(30)ら12人を逮捕した。公安部によると、二木容疑者は容疑を否認しているという。
 二木容疑者の逮捕容疑は同日午後3時50分ごろ、新宿区西新宿の路上で抗議デモ中、許可条件や警察官の再三にわたる警告に反して、歩道上まで隊列を広げるなど違法な先導をしたとしている。
 また、二木容疑者のほかにも、11人が警備中の機動隊員を殴るなどしたとして、公務執行妨害の現行犯で逮捕された。
 同日は東日本大震災の発生から半年にあたり、JR新宿駅周辺では、反原発デモが行われていた。公安部によると、デモには約2200人が参加したという。(産経新聞2011.9.12 01:11)

 微妙に記事は違っているけれど、ほぼそっくり。これが普通の著作物であれば、すぐにも盗作だと騒がれてもおかしくないほどで、これが警視庁の発表資料をそのまま貼り付けたに相違ないということが明白にわかる。
 警視庁記者クラブは便利なんだろうなぁ、新聞記者にとって。下賜された情報を「という」とつけて掲載する。デモ隊側の情報は「という」でも決して掲載されることはない。役所の広報機関といわれる所以でもある。

 ところで、デモの参加者数だけれど、いつものことながら 主催者発表と新聞マスコミが報じる参加者数がものの見事にむちゃくちゃ差があるのは、この際どうにかした方がよろしいのではないだろうか。
 新宿のデモも、主催者側は1万人と発表し、新聞マスコミは多分警察が適当に少なめに発表するのだろうけれど、2千人と書いている。その昔は後楽園球場はいつでも観衆5.5万人ということになっていた。そんなわけねぇじゃんといっていたけれど、堂々の大嘘つきだった。大新聞様は「押し紙」が問題になっているけれど、未だにそれがクリアーになったという話は聴かない。
 こうしたむずむずするような馬鹿げたことはやめた方が良い。すべからく ウソ隠し事が世の中をよくした試しはない。