ほぼ足りてまだ欲 その先

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快哉

 偉そうにいうことじゃないけれど、私は(元々そうだったという訳じゃないけれど)小説は読まないし、テレビドラマは見ない。なぜかハリウッドの映画は見る。ちょっと喰わず嫌いなところもなきにしもあらずではあるけれど、ドキュメントやノンフィクションなんてものばかり読み、観していて、僭越ながら創作に関心が行き渡らない。ま、クリエイティブな人間でないことは確かで、人の揚げ足は取り上げるけれど、自分でゼロからものを作り出すという能力は無残なまでに払底している。
 だから、芥川賞にしても、直木賞にしても、それぞれの賞の生い立ちも知らないし、出版社の系統がなにかあるのかも何も知らない。だから、受賞した作家がどんな人なのかも殆ど興味がない。
 しかし、昨日の芥川賞受賞者の田中慎弥という39歳のなんだか青年のようなおっさんのような作家のこともなにひとつ知らないけれど、(多少の酒が入っていたらしい)「都知事閣下と東京都民各位のためにもらっといてやる。」には大いに笑い、そうだ、そうだ、ざまぁみろとテレビの前で毒づいてやった。
 で、彼は挙げ句の果てに「石原都知事に言いたいことがあるのか」という質問に対して、「おじいちゃん新党を作ろうとしているんでしょう。だから新党結成にいそしんでいただければと思います。」と答えるにいたって、私は一気にこのパラサイト作家の作品を読んでみても良いなぁと想い出したのである。非常に不遜な読書動機で恐縮だけれど、これまで苦労されたであろう彼のお母さんに敬意を表したい。


彼の受賞会見の全文は→こちら

共喰い

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