ほぼ足りてまだ欲 その先

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んなわきゃない!

 日本のスパイ衛星が無事H2Aロケットで打ち出され、軌道に乗ったらしい。これは本当に「人工衛星」とは名ばかりで実はミサイルだといわれなくて済むのか。
国はレーダー、光学両衛星計4機セットでの運用をめざし、約9千億円をかけて2003年から打ち上げてきた。だが、2007年と10年に打ち上げたレーダー衛星2機が軌道上で相次いで故障。光学衛星は現在3機稼働しているが、レーダー衛星は1機だけで、本格運用にはレーダー1機が足りなかった、と朝日新聞が書いている。
 私はこのニュースをNHKのテレビニュースで見ていた。すると、これまでに多額な経費を掛けてきたけれど、これらの衛星から入手された情報が何一つ公開されていないことに対する批判があると指摘していた。いや、これは素晴らしい。NHKがこんなことを指摘するとは随分頑張る様になったんだなぁと感慨深かった。
 ところがウェブ上の他の新聞の記事を覗いたら全く同じ指摘が掲載されている。
 つまりこれなるしきりはいわゆる「官製」批判だということではないのかという気持ちが湧いてきた。

――これまで投じてきた9千億円を超えるコストへの効果が不透明。画像も公開されていない。情報収集衛星が、どういうものなのか依然として不透明。情報公開のあり方について、どういう認識なのか。
 下平所長「私どもが収集した情報に関しては、内閣衛星情報センターで分析処理し、内閣情報調査室、内閣情報官を経由し、総理官邸に報告する。関係省庁にも配布している。たとえば大規模災害に関しては私どもの収集した情報を元に他機関からの情報も合わせ、関係省庁、自治体にも配布している。ただ私どもの情報の特性があり、国の情報収集については、能力、取得した情報の保全というのは極めて大きなファクターになる。他方で私どもは国のため、国民の方々のために仕事をしているわけで、情報をいかに配布するかということもある。二つの要素を考え合わせながら、いかに的確に、こういう情報を必要なところに配布するかというのは、検討を重ねているところ。今後とも具体的な方策を高めていきたい」

 ほう、なるほど。「いわれなくたって、そういうことはしているわけで、しかしながら中身はスパイ情報なんだから、そんなものを公表できるわけがない。そうはいっても税金で飛ばしているんだから、税金を拠出している国民のものということにもなるよなぁ。でも、それは検討中。」と答えたというわけだ。
 答えているように見えて、実はなんも答えておらないという、人をバカにした答弁とはこのことか。
 こんなに大きな金のかかるものをどの様に使っていくのかも検討せずに予算化したのだとしたら、この事業を最初に認可した政治家が誰だったのかはっきりしろといいたい。そんな事業があるわけがない。
 各マスコミが同じことを報じており、しかも、こんな回答に唯々諾々として引き下がってきたというのであれば、彼らは今更ながらであるが、無能記者でしかない。
 つまり、これはまるで国民をバカにした茶番劇そのものである。スパイ情報である以上国民にそんなもの見せられるわけがないだろう、といわれてもそのまま引き下がるのであれば、実はこの事業の中身がいい加減で、無駄遣いなんて当たり前、その行き先は官庁間でどうにでもおいしく戴いた、ということを疑われても仕方がない。