うちの死んだおやじというものは見た目と比べて皆さんがびっくりするほどに気が小さくて、なにか次の日に大きなイベントがあるというと全然寝付けなくなってしまう。夜中まで呻吟していたらしい。私にとって具合の良いことに彼は一番奥の部屋に籠もったきりだったから、よく知らないのだけれど、40代くらいからわが家には睡眠薬の瓶が転がっていたくらいだった。つまり彼は常用していたのである。
私が高校時代になったころ、世の中では睡眠薬遊びってものが流行ったことがある。多少の睡眠薬を服用すると、もう眠くて眠くてしょうがなくて、その状態でいるとぼわぁ〜っとしてなんだか酔っぱらっているような状態になってしまうという状態に陥って我を忘れようという趣向である。ハイミナールなんてものもあったなぁ。学校で不良といわれていた連中のひとりがこれを飲んでまるで酔っぱらった状態で、一緒に下校して往生したことがある。
で、その睡眠薬常用者だったおやじもそんなことになってしまったことが何回かあったらしい。特に晩年はゴルフの前の日に眠れなくなって、服用に及んだらしい。これじゃ運動会前の小学生である。
で、ゴルフ場に到着した時に薬が切れていなくてそんな状態となってしまったことがあったらしい。そんな時は補導されないのか？
