ほぼ足りてまだ欲 その先

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インフレ

 インフレというのは「物価の安定」とはいわないな。物価の高騰だろ?金融緩和というけれど、今までだってやってきただろうと民主党小川敏夫がいうと、アベシンゾーがいったのは「2%を目的として上げたかあげないかの違いで、これは明白に大きいのだ」と回答した。2-3年すればばれてしまう。
 そもそも「大幅な金融緩和」とは一体全体何を意味しているのか。円安に為替を振れさせ、輸出企業にとって大いにプラスだという状況をつくっても結局は大手企業にとってプラスの状況を作るということでしかない。アベシンゾーがいうのは企業に元気になって貰わなくてはなにも始まらないのだというのだ。この考え方は非常に古典的であって、もう既にとっくの昔にその論理ではこの国の民の窯の蓋が開かないことはもうとっくにわかっている。そうでないのだったら、あの長い期間に大手企業が内部留保をため込んでいるというのは一体何を意味しているのか。とにかく何が何でも労働者に対して前向きにシェアするという思想にはないことは明確で、この国の企業でありながら「グローバル化」を旗印にしてこの国の労働者を雇わず、外国で外国の従業員を雇い、この国の労働者の多くを非正規労働者にして彼らの収入をおとしめているのが現実だ。
 それをこれ以上に企業よりの政策によってこの国の民が豊かになるのかといったらとても考えられない。
 私たちがまだ嘴の蒼い若輩者であったころ、給料はかすかすだった。給料日前の一週間は千円札一枚を握りしめてやり過ごした。しかし、働くに従って収入が増えるということが期待できていた。だからこそあんな給料なのに所帯を構えたりすることができた。
 しかるに今の青年諸君の場合はどうかといったら、もちろん巧くレールに乗ることができて面白おかしく将来に向かっている人たちもいるけれど、昔とはとても比較ができない割合で、多くの若者がとても将来のことなんて考えられない状況にいる。
 そんな状態を放り出したまま、金融緩和で大企業を支援することこそが景気回復の礎であると理解できるだろうか。