ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

小沢昭一

 何回も小沢昭一についての話で恐縮だけれど、かれについての周知の事実だろうが、河出書房新社から出版された「文藝別冊小沢昭一」の中に引用されていたので知った。
 小沢昭一は昭和43年から6年間もの長きにわたり、母校である早稲田大学に聴講生のような形でなのか通い、先生の研究室にいっていたのだそうだ。しかも、研究室では机を拭いて、みんなにお茶をだし、自分のお茶も入れていたというのだから驚くではないか。しかも、ちゃんと仕事をしながらの話で、まめに出先から帰ってこられる時は帰ってきて出席していたというのだ。
 晩年の小沢昭一はよく「私は宵っ張りでね、明け方まで起きてんだ。だから、競馬の予想にたいそうな時間を割くんだが、これが全く当たらないんだなぁ」といっていた。だから、とてもそんなことができるタイプじゃなくて、むしろ私と同じ傾向なのかと思っていたからかなりの親近感を感じていたのに、そんな風に大学に通っていたというのではあまりにも真面目すぎるじゃないか。
 私も退職後大学に2年その後に2年通い、論文出してからも3年ばかり手伝いで通ったから都合7年キャンパスにいっていたのだけれど、何しろ生来の不真面目さだから、気が向いた時間に学校にいったりしていた。小沢昭一はさすがだとは思うが、遠くにいってしまったような気がする。あ、死んじゃって確かに遠くにいっちゃったんだけれどねぇ。