ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

コミュニケーション力

 いやいや、この表題、コミュニケーションの力(ちから)という意味であって、「コミュニケーションなの?」といっている訳じゃない・・・あ、いや、この力とカタカナの「カ」が似ているという話・・・、ま、いいや。
 帰りの地下鉄で席が空いたから座った。私の隣も二人分空いていた。そこへおばさん二人がやってきて座ろうとした。私のコートの裾が広がっていたらしくて、私の隣に座ろうとしたおばさんが黙って私のコートの裾を掴んでこっちに押した。私が思わず、「あ、ごめんなさい」といってコートの裾をこっちへ取り込んだ。するとそのおばさんはなんといったのか。何もいわずに「ウフフフ」と笑ったのだ。
 この笑いは何だ?一体何を私に伝えようとしたのか。
 自分のコートの裾が広がっていたのに気がつかなかった私が悪い。そのおばさんが「ごめんなさい」と云ってくれたら気がついて取り込んだ可能性がある。しかし、おばさんは何もいわなかった。
 電車の中でつっ立って通行に邪魔な人がいる。扉の前につり革が設置されるようになって余計に人が平気で出入り口に立つようになった。「失礼」とか「ごめんなさい」と声をかける。しかし、見ているとそんな声をかける人は非常に稀だ。無言で押しのける、というのが普通に行われている行為だ。しかし、これは世界共通ではない。悲しいかな、文化が低迷するとそうなる。現にかつての日本では声をかけるという習慣だった。「はい、ごめんよぉ」とか「失敬」とか「恐れ入ります」とかいう言葉が聞かれていた。
 残念ながら今ではほとんどそんなことはない。今日は後ろから「excuse me」と声をかけられた。
 こちらから「失礼」「ごめんなさい」といってももう反応は返ってこなくなった。