ほぼ足りてまだ欲 その先

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国内問題

 靖国への閣僚の参拝について、「国の為に命を捧げた人々に感謝の念を捧げるのはどこの国でも同じだ」という解釈でこれは国内の問題であって他国から揶揄されるべき問題ではないという論調がマスコミにも益々浸透しつつあり、ラジオをつけているとこの類の論調を誇示する、いわゆるコメンテーターが増えてきているという感じを持つ。
 「国内の問題」だとすると、それはそれでやっぱり「問題」だということは明らかだ、ということにして良いのか。ま、こんな事はどうでも良い。
 それよりも問題なのは明治革命によって戦いの末犠牲になった兵士を祀ってあった靖国にアジア太平洋戦争で戦地で死んだ人々も祀ってあるということだろう。植民地であった朝鮮半島や台湾の人々も当時は皇国の民だったので祀られている。祀られたくないという人も祀られてあって、それを外してくれといっても外さない。
 その上アジア太平洋戦争の指導者で死刑となった人々も祀ってある。つまり、あの戦争をあの方向に持って行った人たちにも感謝する、ということになっている。戦闘で死んだ人よりも、多分飢え死にした人たちの方が多かったかも知れない。
 挙げ句に戦地で売春宿を経営していた連中までどさくさに紛れて祀られている。だから、あそこに感謝の念を表しに行くとそういう人たちにも感謝することになる。
 だから、あの神社の存在が議論になる。明治革命戦死者だけの神社にしておけば良かったのに、「国の為に捧げた命はまた、靖国で逢うことができるのだ!」と刷り込む手段に使った輩があの神社をおとしめてしまった。
 中身を論じることなく、ただ「どこの国でも国に命を捧げた人々に感謝するのは当たり前だ」という議論で終わらせることができない。