ほぼ足りてまだ欲 その先

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芸能希望

 昨日のイベントに時間つなぎに出てきた大阪弁の青年(といっても30代半ば)が、あんまり面白くないなぁと思っていた。私も役回りが終わってから一休みしていたら、彼がぽつんと一人で袖にいたので話しかけてみた。
 大阪から出てきてもう11年になる役者志望なんだという。しかし、未だに鳴かず飛ばずでめげそうだというのだけれど、彼はどこの事務所にも繋がっていないし、どこの劇団にも繋がっていないという。それで現場に立てるのかといったらとても難しいのは道理じゃないかという気がする。
 音楽をやっている連中は少しだけでも場を独占できるのだけれど、役者志望にはそれができないという。そうかも知れない。プロでもないミュージッシャンでも一方的に音で相手を麻痺させることができるので喋りで人を引きつけるのとは大分違う。
 そして総じて音楽をやっている人間の方が何故か生意気な態度を取っても良いと思っている風潮がある。
 例えばMCをやらせて貰っているときに、次のバンドの連中に取材をしようとすると概ね音楽をやっている連中は態度がでかくて大体一晩に二組ぐらいは「こいつらについてはバンドの名前をいうだけだし、インタビューもしてなんてやらない」と心に決める奴らがいて始末に悪い。楽屋にあった他人の弁当を平気で食べちゃう奴なんてのにも遭遇するし、少しぐらい狡や悪をしたって良いだろうという風潮があったりする。
 ところが役者志望やお笑い志望だったりすると、その点はかなりきっちりしている。必ず挨拶はするし、誰に対してもため口ということはない。
 しかし、いずれにしてもそれぞれ難関で、生き残るのは本当にわずかだ。それを考えるとどんな声をかけて上げたらいいのか非常に悩む。