ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

Otis Cary

 前にも一度本書には触れている。
 この本のオリジナルは1950年に「日本の若い者」として日比谷出版社から出版されたもので、これがちくま学芸文庫から7月に出版された。
 著者Otis CARYは宣教師をしていた父親の元1922年小樽で生まれで14歳で米国に帰国。1943年2月に海軍少尉となってハワイに赴任。日本軍捕虜収容所に従軍。戦後アーモスト大学から同志社大に派遣され、1996年まで滞日。2006年、享年84歳で他界。
 旧日本軍の捕虜たちがどの様な状況に置かれていたのか、ということについては中野整一の「トレイシー」とともに非常に興味深く知ることができる。少々、叙情的ではあるけれど、日本の若者たちに戦後期待する気持ちが良く表れている。多くの現在の日本の若者にも、爺さん婆さんにも読んで貰いたいなぁという気にさせられた。
 今東京ではAM810Hzで放送されているAmerican Forces Networkは私が物心がついた頃はFar East Networkといっていたものだけれど、まだその前があって、Armed Forces Radio Service Stationといって東京ではWVTRといっていたのだそうだ。著者は京都にいたはずだからWVTRではなくて大阪のWVTQを聴いていたのではなかっただろうか。