ほぼ足りてまだ欲 その先

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ETV特集

「“戦闘配置”されず〜肢体不自由児たちの学童疎開〜」
 変なタイトルだなぁと思った。「戦闘配置」とは何かと。首都圏の児童たちは戦争末期に集団疎開をした。東京から多くの子どもたちが寺や温泉宿に集団で九州から逃れて集団生活をした。そういえば私が暮らしている区では多くの子どもたちが福島県飯坂温泉に集団疎開したという資料を、かつて福島市にある県立図書館の資料で偶然知ったことがある。それを当時は児童を将来の戦力として温存育成するということで彼らの「戦闘配置」なんだと鼓舞したのだそうだ。
 世田谷にあった東京市立公明学校の児童たちは身体障害者だという理由でその「戦闘配置」につく必要がないから、集団疎開からも放り出されていた。通うという危険だけでも排除しようと学校に防空壕を作って集団生活をした。しかし、1945年3月10日の東京大空襲を見て校長はどうしても地方に疎開させようと苦渋の努力をする。そして結局上山田温泉に疎開させることに成功したのは5月のこと。その10日あとに学校は空襲で焼け落ちた。
 障害者を許容できない文化、日本の変化は驚くほど遅い。今でも大して進化してはいない。ひょっとするとそれが実現することには人類はこの地球上からとっくに退場しているのかもしれない。そういう風土を何とも思わない、インテリジェンスを馬鹿にする、気をつけないと、そんな風土に人間は堕しやすい、単純な生き物らしい。