ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

11,700歩

 朝一番に耳鼻科の医院に電話したら、電話の向こうは幼児が泣き叫ぶ声がして、「今10人ほど待っておられます」というので、遠慮。午前中の診療が12時半までなので、11時55分頃にいってみると、前に自転車が一台しきゃ止まっていない。これは大丈夫かなと、おそるおそる開けてみると先生が受付で話し込んでいる。待っている幼児は一人だけ。受付の方が、お久しぶりだと思ったらカルテを見ると丁度一年前ですよとおっしゃる。
 診ていただくといつもに比べたら全然軽いとおっしゃる。えぇ、そんなはずはないなぁ、なんだか左の耳だってグワングワンしたんですよ、というけれど、鼓膜もちゃんと見えているし、これまでで一番綺麗だって。
 じゃ、というので、聴力検査をやってもらった。弱ってきてはいるけれど、それは加齢の範疇だと。来た来た、やっぱり「加齢」ってわけかぁ・・・。
 ありがとうございましたと礼をいって、それではと北に向かって勇躍歩き始める。今日は北千住へまた昼飯を食いに行こう!そして週刊金曜日、パン、レタスを買うという使命を帯びている。地図を全く開かずに歩き始め、どんどん清川を過ぎて南千住に近づく。山谷の真ん真ん中を通るかと思ったらちょっと東へ来すぎた。明治通りに出ちゃったから東ガスの角を曲がってみたらつまらない。また左へ曲がって泪橋から南千住の立体交差に通じる通りに出た。角に千住三丁目の交番があったけれど、どうせお巡りなんていねぇんだろうと通り過ぎたら、若い巡査が一人座っていたから、引き返して、猫なで声を出して、「お巡りさん、ここはどこいら辺?」と聞く。彼は「ここは千住三丁目でしてぇ・・・」というんだけれど、町名なんていわれたって、こっちはどこにいるのかわからないんだっての。幸い(ってほとんどの交番はそうなんだけれど)壁にこの界隈の地図が貼ってあって、それを見たら、一目瞭然。「ありがとうね!」とまた気持ち悪くなるような猫なで声でお礼をいって歩き出した。
 南千住の立体交差って、きっと昔は開かずの踏切なんて呼ばれていたんじゃないのかなぁ。私はよっこらしょと階段を上がっていったけれど、気がついたらちゃんとエレベーターがついている。南千住の操車場は今でも随分広くって、ガタンガタンとコンテナを何両もディーゼルが引っ張って出て行った。なんでディーゼルなんだろう?だって、電化されてんでしょ?これだといちいちパンタグラフをいじらなくて良いとか何とか理由があるんですかね?わからねぇんだよなぁ。
 南千住の駅を右に見ながら進むと「コツ通り」と書いてあるんだけれど、これが旧日光街道なんだろうか。大体この「コツ通り」ってなんだよ。カタカナってのが変でしょ?家に帰って検索したら(せっかくなのにiPadの類いを持ってきていない)なんとこれは小塚原からきているってぇじゃねぇか。なぁるほど、ってんだけれど、まてよ、小塚っぱらなら、小塚通りくらいの方が収まりが良いんじゃねぇのかなぁ、敢えてカタカナじゃなくて良いんじゃねぇのと思いますが、なんたって刑場跡ですからねぇ。そうそう、工事の度に膨大な人骨が出たというんですな。そうかといって、「骨通り」は嫌だよねぇ。いや、しかし、青山には骨董通りってのがあって、あっちは骨がついているぞ。何かといえば骨が出るてんで「コツ通り」ってことなんでしょうねぇ。どうやら道路を拡張するらしくて、通りの店はどれもこれも古くなってしまっていて、中からは古い家独特の匂いがしてきます。懐かしい匂いです。主に古本屋でかぐことが出来ます。
 この辺外国人が随分通りかかるんす。なんでかというと、安い宿舎がたくさんありますね。何せ元ドヤですからそれぞれ狭いです。安いです。しかも日比谷線は銀座、六本木、渋谷、横浜に行くにもとても便利!何しろもうとっくに治安なんて全く大丈夫。皆さんネットを活用して日本人なんかよりもよっぽど良くこのあたりのことをご存じでございますよ。
 日光街道に合流してから千住大橋にかかります。随分久しぶりにわたります。前回来た時は春先だったでしょうか。今日は珍しく暑いのですが、風が涼しくて日陰はほっとします。橋の上からスカイ・ツリーも見えていたんですねぇ、前は気がつかなかったなぁ。
 この橋を渡るのには歩行者は実につましい渡り方をいたしますな。何しろ自動車天下という雰囲気で、歩行者はぐるぐる階段で三階分くらいを上がらなくちゃならない。南千住の跨線橋と違ってこっちにはエレベーターもない。元気よく歩けない人にはとってもハードルが高い。こういうところはこの国は何にもしない。そんな金はないと言い放っても誰も文句を言わないと思っている。女性の労働環境を云々しても、なかなか実現しない、公的な立場の人間がセクハラ発言をしたって、それがどうした程度の開き直りで何も起きない。そんな文化なんだからしょうがない。こんなに何にもしないで歳費ばかり食いつぶす議員を選んでいるのは私たちで、ここにエレベーターがつかないのも私たちが何もいわないからに相違ないと思うしかない。
 これは芭蕉だ。松尾のお爺さん。曽良ちゃんを連れてここから旅立ったンだってんです。靴のひもを結び直していたら、やっぱりカメラを手にしてキョロキョロしながら歩く親父が追い抜いていったと思ったら、今度は向かいから同じような爺がやってきた。人気だな、北千住。
 ここの通りは前回も、いってこい(往復ともに)で歩いたから、もうあんまり見るものもない。それにお店もあんまり活発なものは残っていない。墨堤通りを渡らないとあんまり活発じゃない。渡ると千住中町商店街と書いてある。
 次の信号から先が「ほんちょう商店街」でここからはもう嘘かと思うほどに人が出ている。
 この信号を渡らないで手前右角が先週も昼飯を食いに来た「鶴亀飯店」である。またカウンターに座って、「まずは基本から」と自分にいい聴かせて、今日は「特製酢豚セット」を宣言。旨いけれど、なんたってこれはランチなのに1,100円するんだから旨くなかったら、裏切りだ。ここの料理は一工夫もふた工夫もしてあるんだけれど、それをいったい誰がやっているんだろうか。先日のキッチンは男の人と女の人だったのに、今日はおところが三人だ。どういうシフトになっているんだろうか。
 隣の兄ちゃんが「鶏皮餃子(480円)」を注文したのだけれど、それっきりしきゃ来ないからどうするんだろうと思っていたら、それはサイドメニューでなにか餡作りになっている具がご飯の上に乗ったものが出てきた。あれはいったい何だろうか。イヤもう次から次に意表を突くメニューなので、この店は何度いっても多分驚かされることになるんだろう。
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