ほぼ足りてまだ欲 その先

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在宅介護

 介護制度は西暦2000年に制定されて、5年ごとに見直していくって事になっている。だから今年で3回目の見直しということになる。今年の見直しくらいこれまでの日本の介護システムを完全に根本からひっくり返すような見直しをしたことはない。
 なにが問題かといったら、高齢者介護をできるだけ在宅でやろうといっていることにある。どう考えても高齢者在宅介護を担う人材が豊富に用意されているとはいいがたい。というより、全く払底している。在宅介護については訪問介護者の条件がかつてに比べたら費用削減に向かってきていたからどんどん人材が減った。
 なにしろ、移動に関わる費用を見ないということになったものだから、遠くから通って訪問介護をやってくれていた人たちが、どっと減ったことがある。片手間にヘルパーとして活動する人たちにばかりになっていってしまうわけで、こういう方々にお世話になってやろうとすると、人手が足りなくて、それこそ在宅介護に集中させようとする方式は成り立たないことになる。
 特別養護老人ホームに入ることができる要件を要介護3以上にするといっているものだから、これまでだったら特養で見て貰えたレベルの人たちが全員在宅になるから、人手がかかるようになるのは目に見えている。じゃ、要介護2以下で特養のウェイティング・リストに載っていた人たちはどうなるというのか。
 介護制度を作り直した時の基本的な考えを今や完全に逸脱してしまっている。自公政権の考え方の基本は何かといったら、とりあえず、今のところでなんとか辻褄が合えば良いやというもので、その先のことをなにも考えていないから、こんな理屈に合わないことをやることになる。