ほぼ足りてまだ欲 その先

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介護

 認知症の介護は知られているだろうけれど、厄介だ。貼り付いていなくてはならなくなるからだ。身体的にはそれほどの不自由がなくて、認知症になってしまった人は要介護認定を受けても、それほどの介護度にはならない。せいぜいいって介護度2くらいだ。そうなると、特別養護老人ホームを利用することはできなくなってしまった。もっともこれまでだって、実質的には待機している人がどっといて全然順番は回っちゃこなかった。
 今度はもう決定的に家族で介護をしろといっている。仕事も何もやめて、貼り付いて、一蓮托生で面倒をみろよ、何しろ伝統ある日本の家族制度なんだから、というのが自民党及び霞ヶ関の考えである。
 特例として下記に該当する人たちには特養に入居する可能性が残されているといっている。

  • 常時適切な見守りや介護が必要な認知症高齢者
  • 知的障害・精神障害等をともない、地域で安定した生活を続けるのが難しい人
  • 家族のサポート、地域内の介護サービスや生活支援体制が十分ではない人
  • 家族等から深刻な虐待を受け、心身の安全・安心の確保が不可欠と思われる人

 あ、それなら大丈夫じゃん!と思う。しかし、それには原則要介護度1-2はダメだという壁がたっている。その上待っている人の数は少なくない。それぞれがそれぞれの特養に申し込みをするといわれている。どこが待ちが少ないのかわからない。
 それこそNHKスペシャルじゃないけれど、介護殺人はなくなることはないだろう。それはなぜかといったら、個々のケースにおいて継続する問題ではなくて、それぞれが初めての体験である場合がほとんどだということ。そして、まさに現場では孤立する状況が当たり前であり、この国のシステムはそういう場合には見て見ない振りをして終わらせることが当たり前だからだ。
 「誰も彼も全員を救うことができるわけではない」から「誰も救わないシステム」だからだ。これを覆すためには政治システムを根本から変えなくてはならない。少しずつ移行するしかないのだとすると、その時点でもはや犠牲を見捨てているということに他ならない。

「利根川一家心中事件」