ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

東京新聞

2015.03.22東京新聞朝刊
「あの人に迫る」インタビュー記事なんだけれど、インタビュイーは阪大文学研究科出身のドクターで、2003年にサントリー学芸賞の受賞者、六車由美。東北芸術工科大学を2008年に辞して特養職員となり、2012年からデイサービス管理者という変わった経歴の持ち主。写真が掲載されているんだけれど、どこかで見たような風貌の女性で、一体誰に似ているんだろう?
 この人が言っていることが正に私が2001年の夏に実習で通った特別予後老人ホームで感じたことだった。どういうことかというと、利用者の人たちがそれぞれ語る話が随分と面白くて、あぁ、この人たちは驚くほど興味深い話を持っているなぁということと、それを聴く人が驚くほどいないなぁということだった。
 六車氏はある時踊り付きで歌い始めた人に突然遭遇したことからそれに気がついたと仰る。「馬喰」の話、送電線設置のために移動していく「漂白民」が存在したこと、戦争の話を聴いてそれを書き留め、それを娘婿が読んで見直したこと、次々と興味深い話題を見つけてきたという。
 前にも書いたけれど、私が話した相手の方々からは、上野近辺でバイク屋を営業していたという方、戦争に行って戦車に乗っていたといったかと思うと次の日は戦闘機に乗っていたという方(この方はどんどん話を発展させてくれる)等々、面白い話だった。
 六車氏と私の徹底的な相違は、その関心をちゃんと自分で受け止めて、そこから気がついたことをちゃんとした行動に移していることだ。なんとも素晴らしい。
 もうひとつは福井の「ラーバンの森」を運営しているやまざきようこさんのコラム。今年の節分に他界されたお父様のことを書かれていて、その昔、そのお父上がうちの親父と同じところで働いておられたと書いてあって、大変に驚いた。