ほぼ足りてまだ欲 その先

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誰だ!

 映画や小説では良く聞きます、この誰何。しかし、現実にはほとんどこんな声を上げたことはありますまい。
 しかし、私はこれを喉の奥から振り絞って叫んだことがあるのです。多分私が高校を卒業して大学に滑って(落ちるじゃなくて、滑るって表現、誰が考えたんですかね?今じゃほとんど受け損なった芸人にしかいいませんねぇ)、浪人をしていた頃です。
 高校の同級生だった友人がうちからひとつ山を越えたところにある大学の外国語学スペイン語学科に入って、浪人している私を慰めに来てくれたんです。彼は嬉しそうに初めて本格的に触れたスペイン語について教えてくれました。私は一人で留守番をしていました。
 その時です、誰も家にはいないはずなのに、玄関の外のマンホールの蓋が「がたん!」と音を立てたのです。人が乗らない限り、そんな音はしません。咄嗟に怪しい!とわかったので、がらっと玄関の扉を開けました(引き戸だったんです)。すると人がいるはずのない裏庭に人影が見えます。この時です、私が叫んだのは!「だ、誰だっ!」
 そいつはがばっと踵を返すと、脱兎の如く、塀を駆け上がり向こうへポォ〜ンと飛び降りました。無意識のうちに私はまた叫びました!「ま、まてぇ〜っ!」
 待つわけないだろう・・待たれたら一体どうするんだ!?と今だったら思います。しかし、そう叫んだんです。刷り込みって恐ろしいです。