ほぼ足りてまだ欲 その先

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鶴見俊輔

 昨夜というか、今朝未明にNHKETV特集 アンコール「鶴見俊輔〜戦後日本 人民の記憶〜」を放送した。勿論過去に放送したものの再放送(この場合は2009年4月12日放送)である。
 NHKは著名人を生前、必ず取材をしていて、ご本人が亡くなるとその死を惜しんでというか、準備万端で放送をする。だから、NHKには多くの著名人を記念する番組資料が残っているはずだ。
 逆にNHKが取材を始めたらそろそろ危ないのかと思ってしまいかねない。日野原先生なんかだと随分前に密着していたことがあるが、これではもう一度密着しなくちゃならないぞ。
 録画をしながら最初の部分を見ていたのだけれど、鶴見俊輔はインタビュアーの黒川創に向かってだけ話すのではなくて、その場にいるすべての人たち、つまりスタッフ全員に目を配りながら話す。眼をぎょろっとさせながら力強い。そして玉音放送の話になって、どんな状況で一人でラジオと相対していたのかと語りながら非常に激して「大変腹が立った!」といっていたのはこの部分だった。

敵ハ新ニ残虐ナル爆弾ヲ使用シテ頻ニ無辜ヲ殺傷シ惨害ノ及フ所真ニ測ルヘカラサルニ至ル

 彼が怒るのは「なにが残虐なるだ!」ということなのだ。自分たちだって負けず劣らずの残虐な行為をしてきたじゃないか、という。
 こればっかりは本当に戦地に赴いた人でなくてはの観点だろうと思える。
 彼の全著作を集めてみたいのだけれど、古本屋にもなかなか建て来ないだけではなくて、こうなると益々値が上がるんだろう。