ほぼ足りてまだ欲 その先

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物価高騰

 クライストチャーチでお話を聞いていたら、やっぱり地震の後に物価は高騰しているんだそうです。3.11に先立つことわずか一ヶ月のあの地震は詳しくお伺いすると、やっぱり福島の地震のように一年前に比較的大きな地震があったんだそうです。街の中心がほぼ壊滅してしまった地震の前に大きく横揺れする地震があって、扇状地の上にある中心部は揺すられていたから、その後の縦揺れにあっけなく崩れたといいます。広い範囲に液状化が広がったそうです。
 中心地でしたから、ダメージは大きかったわけで、日本人28人を含む185人が死んでいます。今でも空き地だらけの空白地帯で、なんだか放棄された港の沿岸を歩いているような気分になります。その中に数棟、がらんと放棄されたままになって立ち尽くしているビルが何棟かあります。それが不気味です。ホテルのRidgesやCrown Plazaはその名前がついたままです。
 すっかり観光地としては成り立たなくなっているのですが、それでも中心部にはトラムが走っていて、博物館に所属している古い、古いトラムをほぼボランティアのようにお歳のおじさん、おばさんがガイドをしながら走らせています。
 このトラムの出発点(とっても周回しているので、どこが出発というわけでもないのですが)に明らかに日本人だとわかる男性がお客さんへのガイドをしながら切符を売っています。19年前から日本とここを行ったり来たりしておられたそうですが、今はここに定住しているという日本人です。植物公園のインフォメーションにも日本人の女性の方が働いておられます。
 クライストチャーチの観光の目玉だった英国国教会の大聖堂は今も崩れたままです。その代わりに日本人の建築家、坂茂デザインのカードボード・チャーチが建っています。別段見なくても良いや、と思っていたのですが、これが聞くと見るのでは大違い。素晴らしい建物になっています。カードボードというのは普通日本語では段ボールですが、実際にはいわゆる「ボイド管」というものでできています。いわば段ボールで作ったパイプ、でしょうか。これは見に来て良かったと思いました。
 観光といったら申し訳ない気がする有様ですが、クライストチャーチは忘れられない街になりそうです。
 犠牲となった185人の人たちのために一角に白く塗った椅子が185脚並べてあります。忘れないように。まさにご冥福をお祈りしたいと心から思いました。
 復興が進んでいるのか、といったらなかなかそうだとはいいにくい状況ですが、それでも古くていわれのある石造りの建物なんかはどうにか可能な部分は残そうと四苦八苦している様子が見えます。古いコンテナを使った、いわゆる復興商店街や、古い部分を支えるコンテナの使い方なんかに工夫が見て取れます。
 復興工事に外国からの労働者が入ってきているんだそうです。それでなくても人口が多いわけではない国ですから、これが完了した時にどんな姿になるのか、心配なところもあります。