ほぼ足りてまだ欲 その先

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日本人は本当に凄いのか

 3.11以降、世界でも日本人の秩序の保ち方の素晴らしさに感嘆の声が上がっていた。他の国だったら、こんな事になったらセキュリティがこんなに保たれるだなんて考えられないと感心されていた。これについては私は逆にびっくりした。こんなすっかり脱力してしまって二度と立ち上がれないくらいのダメージを受けたらそんなことをする気力もなくなるはずじゃないのかと。
 すると殆ど詳細には報道されていないし、警察もその後捜査をしている雰囲気もないが、各地のATMなんかは完膚無きまでにやられちゃっていて、それも乱暴にバールのようなもので、強引にこじ開けて中身はすっかりやられちゃったのだそうだ。つまり、目につくようなところで、たいしたことのないものを持って行くことはないけれど、肝心なところはやられちゃったわけだから、そんな評価は殆ど相応しい訳じゃない。
 もちろんこんな時にそんなことに頭が動いて、行動も伴うのは被害にあった当事者ではあり得ないだろう。わざわざ出向いていって、こんな事をやるわけだから、相当に悪い。根っから悪い。
 しかし、よく考えてみると、これだけ放射能汚染が広がって、セシウムがどこに一番降り注いだのかという分布図まで今やおおっぴらになってきたというのに、その地域から多くの人が逃げ出して今や無人の街となっているという話も聞かないし、居住制限地域だといったって昼の間だけ人が戻って商売しているんだという話を聞くと、それを「復興」というのは如何なものかと思う。
 どうも、こうした状況を見ていると、できるだけ早く何事もなかったように生活が戻ればそれで良いんだ、それこそが「復興だ」といっているように聞こえるけれど、それは地域住民を人質にした「何事もなかった頬被り」政策なのではないのか。それがTPPの有無をいわせぬ進め方にも表れているのではないのか。
 ひょっとすると日本人はいつでも冷静でいられる凄い民族なのではなくて、いつでも政府の言いなりで暮らしている「単なるお人好し」なのではないのだろうか。