割とまともな時間に目が覚めた朝で、散歩に行くという人がいたので、それに便乗して出かけることにした。その辺をグルッと、といっているのを誘惑して東銀座にある鰻を食べに行こうじゃないかとちょろっとナシをかけたら、なんちゅうことなくのっかってきたものだから、1万歩を目標に出かけた。
なにしろ旧正月でそんな習慣にある人たちがお休みだってんで、そんな人たちがいるあたりはワンワンしていそうだというから、裏を、裏を歩いてあっちへいったりこっちへ来たり。そうするとその近辺の勤め人の人たちのために出ている、お弁当屋さんやら、呑み屋がやっているちょいとお得なランチメニューだなんてものが結構あるもので、それを見て歩いているだけでも勉強になりそうなのだ。
大体千円凸凹あたりだとそれほど混んでいるわけでもなさそうだけれど、これが6-700円くらいだったりするともうはっきりと混んでいる。しかも、様々な目玉を用意していて、珈琲飲み放題(但しセルフ)だったり、ランチと一緒だったら珈琲は120円だったりしてしっかり抱え込んじゃうという双方ウィン・ウィンだったりする。
それにしても日本橋から室町、神田まで歩いてみると、もうあっちもこっちも工事中、ビル新築中ばかりで、あのビルの前は一体何だたっけなぁと想い出せず、気がついたらとんでもなく広い面積がだぁ〜ッとなぎ倒されていたりして、中央区、千代田区は油断も隙もありゃしない状態になっている。
江戸通りを神田方面に渡るやいなや、その雰囲気が一気に従前の町並みのまんまとなる。何だかホッとする。虚から(しょうがねぇけれど戻って来ちゃった)実の世界のようだ。
そこに、国登録有形文化財に指定されている丸石ビルディング(鍛冶町1-10-4)があります。昭和6年(1931)竣工.。山下寿郎建築事務所設計。外壁はなんと今やほとんど見ることが少なくなってきてしまったスクラッチタイルです。昔はあっちでもこっちでもいくらでもありましたけれど、もはや風前の灯火でございます。
山下寿郎建築事務所といえば、霞が関ビルの建築設計を担当したそうで、そこから出た日本設計と共同で担当したようです。しかし、霞ヶ関といったら武藤清(息子は某製鉄会社におりましたが、なんともはやのお坊ちゃまでした)じゃないかと思いましたが、彼は構造設計で有名なんだそうですね。
この近所には山梨中央銀行東京支店(鍛冶町1-6-10)の建物もあって、これは千代田区景観まちづくり重要物件に指定されています。こちらは昭和4年竣工。
そんなわけで神田から電車で帰宅。
途中、丸善で下記入手。なんでか知らないけれど、随分無愛想な店員さんがいて、驚いた。
- 作者: 岩波書店編集部
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2016/01/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (1件) を見る
- 作者: 若松英輔
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2015/12/09
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (2件) を見る
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2016/02/08
- メディア: 雑誌
- この商品を含むブログ (3件) を見る
河北新報で15回連載されたという「もう一度会いたい(こちら)」というシリーズを取材した伊藤寿行(いとう・としゆき)と宗教人類学者の山形孝夫の対談が特集の始まり。未だに仮設住宅に16万人が暮らしているという現実。表面的にはともかく、現実的にはあたかも忘れ去られてしまうのだろうかと思わせる。マスコミはこの3月にどこまで考え、現実を突きつけることができるだろうか。そして私も。