銀座のカントリーの店としてはかなり古くからあった店なのではなかったか。並木通りの三笠会館の横、藤小西という酒屋ビルの4階にあった。2014年8月末を以て閉店した。古いビルだった。閉店したのを知らなかった。ある日並木通りを歩いて昔の富士銀の前のタクシー乗り場からタクシーに乗ろうとして、あのビルが解体に入っていたのを見て、あ、そういうことかと気がついた。
ご多分に漏れず、The Venturesやビートルズから目覚めた私がなんでカントリーを聞くようになったのだろう。そのきっかけを良く覚えていない。
それでも「ナッシュビル」には何回か行ったことがある。
40年ほど昔は都内にカントリーのライブハウスが何軒もあった。六本木にあったMr. Jamesは結構知られていただろう。あそこには良く行った。石田新太郎や、デイブ久保井とロングホーンズを聞きに行った。へべれけに酔っ払った立川談志が入って来て、客に名刺を配っていったこともある。私も貰った。彼はジミー時田と友達だったらしくて、酔っ払って「ジミーはいねぇのか」と叫んだ。
新宿のウィッシュボーンにはドク・ワトソンを聞きに行ったこともあったことを想い出す。
赤坂のカントリー・ハウスは中でも新しい方だろう。今でもやっているらしい。ブルーグラスは銀座のすずらん通りのビルの3階に「ロッキー・トップ」という店がある。
30年ほど前に今は亡きジミー時田を訪ねてナッシュビルに行ったことがある。一人でジミー時田と向き合ったのを想い出す。ワンステージ聞いて伝言を伝えてそそくさと帰ったことを覚えている。
そういえば泰明小学校の傍の路地に小さなカントリーの店があったことを想い出す。まさかと思って入ったら、カウンターだけの店なのに、奥にドラムがあって、お客がやってきてはギターを弾き、本職が唄っていた。今でもやっているらしい、ウェストバンジョーという店だ。そこで唄っていた本職のCDを買ったことがある。今では高田馬場で自分の店を持っている金平隆じゃなかっただろうか。今見ると彼は私より一年上のようだ。
それにしても今でもみんなしてテンガロン・ハットを被っているのが微笑ましい。そういえばうちにもビーバー・ファーやストローのハットがまだ大事にとってある。