埼玉の特別養護老人ホームで101歳の利用者が亡くなった。死亡診断書が書かれたが、実はその診断書を書いた嘱託医は自分で書き込んだものを日付を空欄にして特養の看護師に預け、旅行に出た。旅に出る前日に危篤状態になったので、そうしたのだけれど、案の定二日後に死んだ。看護婦は日付を入れ、遺族に渡した。明らかに医師法違反である。(讀賣新聞2016年4月28日)
特養では多分、この利用者の年齢、これまでの状況から判断して、老衰による死という診断書に異論が出るはずもないと思っていただろうし、日頃からお世話になっている嘱託の医師に「それでは困る」とはとても云えない。こういうのを「運用」という。「阿吽の呼吸」ともいう。「一体誰が困るというの?」ともいう。
ネット上では様々に議論されている。この種の施設に常駐する医者がいるなんてのは聴いたことがないし、嘱託医である以上、不測の事態に備えて常に行動するなんて医者に強制することはあり得ない。となると、この法が問題なのか。本来的には嘱託医に連絡が取れない以上、救急の出動を要望するべきだ。
それはわかっていたけれど、利用者の年齢、状況から見て、どこからも問題にされるとは思っていなかった様子が推測される。
看護師は退職していて、嘱託医は嘱託契約の収束をいっているそうだ。