新参猫は私が廊下を歩くと前に立って、人を見上げながら「みゃ」とか鳴く。なんだよ、と思ってもよくわからない。身体をこごめると、自分もゴロンと転がる。そこで背中を撫でてやると嬉しいのか、嬉しくないのかもわからないまますくっと立ってどこかへ行く。なにを求められているのかわからないし、あれで本猫は満足なのかもわからない。
その新参猫がもはや充分に大きくなっていて、先住猫を既に凌いでいる。しかし、まだようやく大人といえるようになったばかりだから、まだ遊びたい気持ちがあるらしく、先住猫に絡もうとする。先住猫はこれまで一人でのんびり暮らしていたから、そんなことを考えられない。だから、過度に反応してしまう。可哀想でしょうがない。