ほぼ足りてまだ欲 その先

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暴挙

 安倍晋三は国会でとんでもない発言を多々発してきました。その中でも最たるものが「立法府の長」発言でしょう。衆議院の議事録を見てみます。
 昨年、2016年05月16日の予算委員会。質問者は民進党山尾志桜里議員です。野党四党で被災者生活再建支援法改正案が補正予算になぜ反映してもらえないのか、という質問に対して、安倍晋三の、というよりも官僚が作った答弁は「過去の災害の被災者との公平性、他の制度とのバランス、国や都道府県の財政負担などを勘案して検討すべきもの」という趣旨でほとんど役人根性丸出しでございました。
 これに対して山尾が「平成23年(つまり震災の年)、自民党が野党のときに「復興への道標」としてお書きになった提言書があります。ここには、「被災者生活再建支援法を改正し、国の負担を大幅に引き上げること」とあったとし、元検事である山尾は追いかけるように、(2016年)1月6日、本会議場で安倍が「それぞれの政党が政策を国民に提案することから逃げて逃げて逃げ回っているようでは国民の負託に応えることはできない、ぜひ、この通常国会において、それぞれの具体的な政策を国民の前に明らかにしながら正々堂々の議論を行っていただきたい」といったじゃないかと指摘。
 なのに、「(自分たちが提言しているうちの)たとえば保育。3月24日に私たちは保育士給与5万円アップ、この法案を提出し、30日には付託をされています。きょうは5月16日です。一ヶ月半たなざらしにされています。総理、正々堂々と議論を私たちはしたいんです。なぜ私たちの提案から逃げて逃げて逃げまくっているのですか。」とたたみかけました。
 このあたりから、多分安倍晋三はカチンときたに相違ありません。ここはもう私の勝手な予想です。彼は責められて防御一辺倒になると感情的になる傾向にあります。
 山尾が「自分の意向で、やりたいときはやりたい、やりたいとおっしゃって、保育みたいに本当はやりたくないときは委員会が決めることというふうに逃げる。」とズドンと撃ち込むと、
安倍晋三が「山尾委員は、議会の運営ということについて少し勉強していただいた方がいいかもわかりません。」このあたりで「なにをこしゃくな!」ニュアンス全開になってしまいました。そこでおもわず、「議会については、私は立法府の長であります。国会は国権の最高機関としてその誇りを持って、いわば行政府とは別の権威として、どのように審議をしていくかということについては、各党各会派において議論をしているわけでございます。」とべらべらとしゃべってしまいました。
 確かに字面から見ればこれは明らかに「行政府の長」を取り違えているんだろうということは推測がつきますが、小学校の児童会じゃない、ここは正真正銘の国会衆議院予算委員会です。そこで一国の首相が自分のことを「立法府の長」といったのです。ことはそんな軽い問題ではありません。トランプ大統領がむちゃくちゃ独裁的に振る舞っているこの一週間の前にはすっ飛びそうな言い間違いだ、くらいにとられるかもしれませんが、問題は、この発言が、どんな論議も呼び起こすことなく、平気で議事録、つまりこの国の歴史を形作る根幹ともなる公的な文書の中で書き換えられてしまっていることにあります。
 防衛省が平気で公文書をなくしたと答弁して隠す、ということすらこの国では平気です。しかも、それをマスコミが全く問題視していない。最低な「先進国」となってしまいました。国が衰退する中では、こんなことを平気で看過するマスコミができあがってしまうのかと、驚くべきことでございます。
 返す刀で、先日の自由党山本太郎の代表質問を今度も国会自身が削除すると平気な顔でいっています。それでも論議はわき起こりません。

追記

 衆議院テレビの当日の動画はそのままになっていて、明らかに「立法府の長」といっている。