ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

唄う

f:id:nsw2072:20181209203612j:plain:w360:left 昨日は久しぶりのライブをやった。昼のライブは打ち上げが終わってもまだ空が明るかった。昼にやるメリットは年寄りが来やすい、というものだけれど、お店をやっている人や自営業の人たちが来られないというデメリットがあるんだね。自分が退職しているとそれがわからない。
 小さな小屋だからなのか、楽器がアンプからの生音なので、コントロールがしにくい。三週間前にここで他のバンドのライブを聴いたときに、妙に籠もった音に聞こえていたのはそういうことだったのだ。こういうやり方を今でもしている場所は他でも見たことがある。つまり、昔のセッティング状態で、今から考えてみれば日本にPAというものが浸透する前はみんなこうだったわけだ。当時はヴォーカルアンプと称するものがあって、脇に二本のスピーカーを立て、デレイは磁気テープをエンドレスに回して、入った音を4-5個並べた再生ヘッドで出して行う。これを「エコー・チャンバー」といった。よくこのテープが切れては接着した。
 今は全ての楽器から出る音をミキサーに集めて、そこで個々の音源を調節して両脇にあるスピーカーから出して、全ての会場位置で良く聞こえるようにするわけで、だから後ろに大きなミキサーの卓を設置してこれをコントロールしている。
 こうすると、全てのプレイヤーの手元に他のプレイヤーの音を出すことができるというメリットがあって、ドラムのポイントでもはっきりとベース、ヴォーカルが聞こえてくる。全ての楽器は客席に向かっているわけで、そのままでは聴きづらい。
 PA(Public Address)もハードもさることながら、ソフト、つまりこれを調節することができる人の技術がかなり重要で、個の技術者の技量で明らかに効果が変わってくる。同じ小屋でも、PAを担当する人によって気持ちよい音が作れたり、作れなかったりする。あそこの小屋ではあの人が卓にいるから安心だ、というようなことが起こる。
 19曲を2ステージにかけたからゆったり。完成度の高いものを選んでやってみると、昔からやっている曲ばっかりだけれど、明らかに昔に比べたら声の出が量も音域も広がっているし、時間が経っても劣化がしない。この歳になって、こうなってくるとは思わなかったけれど、明らかにヴォイス・トレーニングの効果が出ている。感謝、感謝だ。