ほぼ足りてまだ欲 その先

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意外や意外

 ハリソン・フォードといえばインディアナ・ジョーンズだけれど、彼だって、そればっかりじゃ生きていけないから、全然違う役で映画にも出ているのは当然のことでございますよねぇ。確か「逃亡者」もやっていたと思いますが、テレビの「逃亡者」よりもほんのちょっとながら楽かも知れないと思っちゃったりするというのが役者の辛いところでしょうねぇ、役が染みついちゃう。あれで亡くなっちゃったから渥美清だって車寅次郎のまんまでございましたけれど、あのシリーズが日本人のツボにはまらなかったら、様々な役どころをやってもあの役が染み出てきちゃったかも知れないですよねぇ。勝新太郎だって、暴れん坊の兵隊か、悪者を最後にたたっ切る座頭市しかないから、他のどんな役をやっても染みついちゃう。


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 そのハリソン・フォードが刑事役をやった映画で「刑事ジョン・ブック/目撃者」という1985年の映画がありました。舞台はアーミッシュというキリスト教徒のある集団です。日本でも彼等の存在はかなり知れ渡っていると思いますが、メノナイト派の流れをくむ人たちで、幼児洗礼は本人の意思を反映していない、成人となってから洗礼を受けるべきだし、洗礼を受けていない限りは一人前として受け入れないという厳格なしきたりを継続し、近代的な生活方法を受け入れていない。しかし、それもある程度方便があって、電気は受け入れないし、電話は家には引かないが使うことは許される。だから、馬車を使って移動する。暮らしも伝統的な衣服を着用している。冷蔵庫は電気ではなく、ガスを使う冷蔵庫。彼等の独自の教育システムを持っていて、8年間の教育をするだけだ。外の社会へ出ていくことも選択肢としてあるけれど、その8年間だけの教育によって、高度なスキルや才能を開花することが出来ないから、どうしても外の社会では順応出来ず、結果的に戻ってこざるを得ないのも現実である。それで結果的により閉鎖された社会に暮らすことになるし、遺伝的な弊害を抱え込む結果ともなりかねない、という問題点を抱えている。アーミッシュの暮らし方にはスローライフ的な捉え方で前向きに評価する剥きも少なくないが、より詳細に見ると、こうした問題がそのままになっている。
 この映画の撮影も、アーミッシュ側からは賛同を得られることがなかったようで、かなり大がかりなセットを使ったという。原理的な教義から、彼等は共和党を、そしてトランプを支持していたという点も知っておく必要がありそうだ。