ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

やれやれ

f:id:nsw2072:20210518032500j:plain:w360:left まるで厄日のような一日だった。本を読むなんて落ち着いた時間は個れっぱかりもなかったといって良いかも知れない。この月曜日から区のワクチン接種受付が始まるのだった。役所のことだから当然午前9時からということになるので、それまで少し寝ようかと、床に入ったら、ラジオが、「今入ったところによると」といって、まるでどこかで大戦争が始まったかのような物言いだった。なんだろうと思ったら大谷翔平が9回の表に逆転ツー・ランを撃ったというのだ。あれ?ちょっと待てよ、テレビでこんな早朝にMLB中継なんてやってないじゃないか。やっていたのはCSで、前田健太が早々に打たれて引っ込んだってことだけだった。慌ててテレビの前にいって見たが、NHK-BS1は朝9時からの中継だと書いてある。なんだ、録画中継なんだ。つまり結果がわかった試合を放送するわけだ。
 そのうちにつれあいが起きてきちゃって、しょうがない、というわけで、ワクチン予約してから寝ようと思った。これが大間違い。9時になって、テレビの録画中継を見ながら、スマホにかかりっきりになってつなげども、いつまでも「ただいま混み合っています」が出るだけ。たまに10回に一度くらい、次の画面まで行く。その度に「おっ!やった」といいながら要求されるID番号を打ち込み、パスワード代わりの生年月日を打ち込む。で、すぐさま「ただいま混み合っています」だ。また最初からやり直す。電話でもかけてみる。ずっと瞬時に話し中音だ。各診療所は、直接電話をしなさいという表示だった。うちはそれよりも近いところに中規模集中接種会場の病院があるから、そこで受けたい。さぞかし行きつけのクリニックでは電話の応答で苦労していることだろう。
 くそったれ!と罵詈雑言をスマホに浴びせ続けて、野球が終わってしまった。RED SOX澤村拓一は出番がなかった。腹が減った。とろろ蕎麦を作った。まだ繋がらない。

f:id:nsw2072:20210518032548j:plain:w360:right 諦めて散歩に出た。降るような、降らないような、そんなポツンポツン雨である。こんな時は当然紫陽花の様子を見に行かなくてはならない。川に沿って作られている公園の植え込みで紫陽花を集中的に植えてあるところがあって、そこが毎年の私の紫陽花撮影場所になっている。色づき始めたばかりで、まだどれもこれも初々しい。紫陽花といえばフォン・シーベルトである。彼はオランダ人ではなくて、ドイツ人だから、出島にいた時もオランダ語がヘタックソだったが、オランダ人しか行かれないわけだから、方言訛りが酷いといっていたらしい。蝶々夫人じゃあるまいし、現地妻をつくって、娘が生まれたことは、吉村昭が「ふぉん・しいほるとの娘」という本を書いたから知っている。かなり興味深くあっという間に読んだ記憶がある。多分これは文庫本だけれど、取ってある。シーボルトが集めて持ち帰った想像を絶するほどの資料は国立民族学博物館の他、国立自然史博物館、ライデン大学付属国立植物標本館(現在のオランダ国立植物標本館)、ライデン大学図書館に納められているけれど、ライデンにあるシーボルト・ハウスでその一端を見ることができる。こんなものまで持って帰ってきたのか!と驚かされる。ライデンという町がそういう街だから、毎年、ここでジャパン・フェスティバルが開かれる。これがまた面白い。剣道をやっている人たちがいて、ブースを出していたんだが、防具や竹刀をどうやって入手するんだと聴いたら、今はネットがあるからね、というのだ。シーボルトの話を夜中のNHK-BSの「アーカイブ」みたいな番組でやっていた。

 で、帰ってきて、かのワクチン予約である。思いを切り替えてスマホを開くと、「ただいま混み合っています」になってしまったら、がんがんリロードしていれば先のフェイズに繋がる、と書いている人がいて、あ、それありかよ、と突き当たる度に何度もリロード・マークを押していると、先に進むことがある。全然ダメな時はもう一回初めからやり直した。そのうち、とうとう、最後まで到達。二回の予約(間隔は三週間)を取ることができた!つれあいの分も完成したら、丁度12時間経っていた。
 こんなの高齢者が自分でできるとはとても思えない。テレビで大阪の大規模接種会場にやってきたお爺さんが「ネットなんて使えやしねぇんだ、じゃどうやって予約するんだ!」といっていた。その通りだ。一人暮らしの高齢者は置いていかれてしまっているに相違ない。手伝うボランティアが必要だ。というよりも、現場で受け付けろ。