昔から、好きなことが長続きしないんです。これは、一体どういうことですかねぇ。子どもの頃の収集癖だって、切手もあの帳面はどこへいってしまったのか、もうとっくにわからないし。中学の頃は、毎週土曜日の午後にはフォークダンスに打ち興じていたけれど、そんなのはもはや欠片もない。水彩の絵もあの頃は用もないのに描いていた記憶があるけれど、今じゃ、それって一体誰の話？状態。高校生の頃に始まったバンドも、今じゃ飽きてしまって歌う気にもならないし。アメリカに留学したいと思ったくらいの英語だって、今じゃ、向上心の欠片もない。歌詞を諳んじていたくらいのビートルズだって、もう今の若い人たちの話題についていけない。誰にもなにも教わらずに始めたルアー釣りだって、もう25年前から指も触れていない。そうそう、あんなに有休を使い果たしてまで出かけていたスキーだって25年前からやったことがない。キャンプもあんなに行っていたのに、同じくらいいっていない。日本の介護システムだって、もう訳がわからなくなってしまったし。結局、この人生でなにか、仕留めた感がするものはなにもないような気がする。
あれ？「どんな人生でしたか？」って聴かれたらどうしよう？と思ったんだけれど、聴かれるわけがない。
