昼飯に、本年十五回目の冷やし中華を食べていると、そこへ電話が鳴った。この時間じゃ、またなにか半分詐欺の様な、年寄り狙いの勧誘電話に相違ないと出てみると。息子の声だ。やや、随分旨い物まねだ、と思ったら本人だった。「もうそろそろ飛んでくるんじゃないの?」という。何がだよ、というと、12時40分から55分まで飛ぶんだというのだ。そうか、災害救助隊飛行部隊の「ブルー・インパルス」が五輪のマークを描くって奴らしい。なんで前回の企画をそのままやるんだろう。これじゃ、全然進歩の跡がないじゃないか。そこへ轟音と共にやってきた。あれあれ、とカメラを取りだして録画を回すと、目の前で煙を吐くのをやめやがった。そうすると、飛行機がどこにいるのかわからないんだね。なんだこれだけか、と思っていると、遙か西の方で、ひょろひょろとして、誠にか細い色の煙を吐いている。後でテレビで見ると、その五輪の輪にもならないひょろひょろを見るために、押すな押すなの人だかりである。COVID-19の真っ最中だというのに、人だかりである。主催者も警備の人たちも、「たちどまらないでくださぁぁい」というだけだ。放水車でも持ってきて、群衆を蹴散らかさないと、感染拡大も良いところだ。もっとも、この暑さだ、みんな放水車を歓迎してしまうかも知れないな。
ひょろひょろのあと、もう一度この飛行機たちが戻ってきた。
T-4練習機は純国産の練習機で、エンジンはIHI(石川島播磨重工)製で、練習機の製造は川崎重工。1985年の試作機を含めこれまで212機が配備。安定した性能を持つ飛行機だそうだけれど、これだけ密集した帝都上空をギュイ〜〜ンギュイ〜〜ンと飛ぶんだから、怖いよねぇ。一機くらい落っこちてきても不思議はないね。 あちこちの集合住宅から、人々が顔を覗かせているんだけれど、みんな良く知っているねぇ。
さすがにこのクソ暑さだから、開会式は夜になってからで、それも散々揉めた挙げ句の開会式で、私は一切見なかった。それでもテレビの傍にいくと、チラチラと見えてしまう。「あざとい」連中のやることは賛同しないのだよ。twitterのながらを見ているとおおよそわかる。聖火ランナーは大坂なおみだったそうだ。どおりで随分前から、ウィンブルドンも出ないけれど、オリンピックには行くと断言していたわけだ。八村塁や大坂なおみをそうして使いながら、開会式からセネガル人を排除したと伝えられてきていて、「え、外国人、何人も出ているけれどなぁ」状態だった。
「世界の仲間がここにしゅうごぉ〜!」とかいいながら、ウェルカムなのは白人であって、アジア人や、アフリカンはそうでもないという奴らの底意地の悪い習慣は前回のオリンピック以来、全くなにも全然変わっちゃいない雰囲気が露呈するなぁ。