珈琲屋乱立
一昨日、何気なくネットを見ていたら、渋谷で行列のできる珈琲屋が店を畳んで、うちの近所に引っ越してきたんだと書いてあるのを見つけたんです。渋谷で行列ができるほど繁盛していたというのに、なにを好んでこんな界隈に引っ越してきたのか、どうも納得ができないわけですよ。住所を見たら、つれあいの実家の並びですよ。もう片っ端からどんな家が並んでいるのか諳んじることができる、通い慣れた通りですよ、引っ越してからはそれほどいかないけれど。
いったいどこにできたのかと思って散歩の途中で前を通ってみました。カウンターだけの店で、イタリアのそんな店を再現したそうです。そういわれてみると、(イタリアったって北半分しか行ったことないけれど)、イタリアの田舎町にも必ずそんなカウンターの店があって、入ると街のおっさん連中が朝から甘いパンとエスプレッソを食べながらくっちゃべっています。都会だと、通勤途中の兄ちゃんがやっぱり甘いパンとエスプレッソです。そこでカプチーノを注文するのが肩身が狭いくらい。そしてなんで朝からあんなに甘いものを食べることができるんだろうかと不思議ですが、一説によると、カロリーを補充してから働くんだ!といわれたりします。
散歩への往き道で覗くと、中から出てきたお客に窓越しに珈琲を渡していました。そして帰りしなに覗くと、もはや3-4人が並んでいるのです。カウンターの店に入るのに並ぶんです。この場所は、先日まで小さなケーキ屋さんでしたよ。あのケーキ屋さん、一度しか入っていない。
散歩の帰りに一本裏道を通ると、知っている人しか通らない道なのに、そこにも珈琲屋ができているのです。こんなところにお店なんて、昔は誰も考えなかったのに。なにしろ小さな二階建ての住宅が並んでいたところですから。そして若い人たちが、出入りしてんです。どうしたの君たち?
もう少し南へ行った地域が、最近妙に若者相手の店ができはじめていて、東京のブルックリンだなんてバカなことをいう奴が、その状況を煽っている雰囲気がございます。なにが、ブルックリンだよ。こっちゃブルブルしちゃうよ。ブルックリンには地下鉄が走っています・・・あ、ここも走っているか・・・。どうも古い工場跡なんかを使って、そんな店にするのが流行ですかねぇ。そういえば千駄木の豪州珈琲屋を標榜する店も元は工場みたいな建物です。
確かに日本人はなぜか昔から珈琲に凝る連中が一定数はおりましたけれど、なにもこんなところまで行列ができる珈琲屋が来なくても良いじゃないかという気がしないではありません。そんなに珈琲が好きなら、マメを買ってきて自分で淹れたらいいと思うんだよなぁ。そりゃエスプレッソ系が呑みたくてたまらない人は、エスプレッソマシーンを家に誂えるわけには行かないからしょうがないかも知れないが、そんなに日本人がイタリア人や、豪州人みたいにエスプレッソ系を呑みたいの?
それこそ(昔、知り合いの週刊誌の奴が記事中に多用していて笑った)「俄には信じがたい。」である。
それにしても、TULLY'Sのフラット・ホワイトは本物だけれど、トール540円は高い!