ほぼ足りてまだ欲 その先

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高かった

 2017年春号のNo.60で終刊となった新潮社の季刊雑誌「考える人」は、終わりの二年間ほどは辻褄合わせみたいな手抜きになって実に怪しからん有様だったのだけれど、それまでは一号一号が深さが足りなかったりはするものの、とても興味深いものとなっていた。この種の雑誌としては記憶に留めておくべきものであったといって良いだろう。
私の本棚には60冊のうち11冊が足りなかった。なぜか2015-6-7年あたりが足りない。どこか外国に長期間滞在したわけでもないのに、どうしてこの辺りで買っていなかったのか、全く記憶がない。何か、特別な理由があったのか、全く思い当たらない。何か、嫌になった理由でもあったのだろうか。欠落している号が気になってならない。全冊揃いで5万円弱で売っている古本屋があるそうだけれど、そんなものに手を出したいとは思わない。と、いいながら、2015年春号No.12を大枚出して、某古本屋から入手した。これは多分これまで手に入れたバックナンバーの中で最も高価なものだっただろう。
 特集は「クラシック音楽と本さえあれば」で、ピアニストの内田光子のロングインタビューがある。ロングというくらいだから22頁にわたるインタビューである。それもさることながら、巻頭になんと安岡章太郎が出てくる。しかも、私は知らなかったのだけれど、彼は受洗しているそうで、その時に遠藤周作からマリア像を贈られていたというキャプションがある。ということはカトリックの信者だったということだ。これはちょっと驚いた。尤も、「あの」麻生太郎ですら、信者だという話を聞いたことがある。
 その上、武満徹の本棚として妻の武満浅香が答えている。ちなみに浅香は2019年9月に他界している。

 「考える人」はこの後2007年夏号No.21で「続・クラシック音楽と本さえあれば」を特集している。クラシック音楽には狭くて浅い知識しかない私にはこっちはちょっとチンプンカンブン。

 ちょっとジャンプするけれど、恩田陸というのが女性だとは知らなかった、小説を読まない私である。