ほぼ足りてまだ欲 その先

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近くの古本屋

 うちから最も近い古本屋はかなり古いらしくて、地元民であるつれあいに聞くと、彼女が子どもの頃からあそこにそのままあったらしいが、古本屋だったか、貸本屋だったか定かじゃないという。そこのお姉さんくらいの年恰好の人が習字を教えている人で、そこへ店の商品の配達をしたことがあるという。
 本棚がぎっしりと埋まっているわけでもなく、古い雑誌が平積みになっていたりする。そのくせ、ポロッと比較的新しい本もある。岸惠子伝とかオバマ元大統領の奥さん、ミシェールの自伝があったりする。しかし、価格は総じて安くない。
 そんな奥の棚に平凡社東洋文庫が3冊だけ刺さっていた。そのうちの二冊が森 銑三の「明治東京逸聞史」の1と2だった。普通だったらシリーズものは揃っていれば紐で結んであったりして「全冊いくら」と書いてある。バラバラだったので、これ幸いとうちにはない「1」を小躍りしながら抜いたのだけれど、肝心の値段が書いてない。珍しくFMのNack 5なんかを聞いているおっさんに「これはいくら?」と聞くと、やおら立ちあがって「これは揃いなの、二冊で2,800円」というのだった。なんだバラで売るんじゃないんだ、といって他を見た。
 うちに帰ってきてネットで「日本の古本屋」サイトで探したら500円で見つかったので、すぐさまポチった。あの古本屋は一体どうやって喰っているんだろう。多分、家作かなんかがあって古本屋は単なる経費扱いなんじゃないのかね。そういわれてみると、この街にはろくな書店があるわけではなくて、ほとんど漫画本屋とでもいうような書店だ。中程度のチェーン書店も二つばかり店を出しているけれど、かなり緩い品揃えで、よく潰れないものだ。