ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

保阪正康

 京橋に行ったついでに八重洲ブックセンターを覗いた。
閉店するという話を聴いたからだ。
入り口にある二宮尊徳の像を観光客と思しきノーマスクの白人のカップルが写真に撮っていた。
そういえば、私も来年の3月までに写真に撮っておこう。

お店の中はもはやガラガラである。
一階ですら、20人ほどしかお客がいないし、上の階は10人前後ではないかという程度である。
昔だったら横の一方通行の道に黒塗りの車が2−3台は必ず停まっていて、人の出入りが激しかったはずだ。
5階の文庫フロアーだって、棚に隙間ができてしまっている。昔はこんな事は考えられなかった。
リモートワークが多くなって都心に出てくる働き手が激減しているということなんだろうか。
しかしながら、日本橋丸善に回ってみると、ほんの少し650mしか離れちゃいないが、いつものように通路で譲り合うくらいのお客は入っている。貧すれば鈍するという言葉があるけれど、今の八重洲ブックセンターで本を探すよりは丸善のほうが探し甲斐があるような気がしてしまう。実際は他のお客に邪魔されない八重洲ブックセンターのほうがやりやすいのにね。

 これは面白い企画です。文藝春秋が取材したかつてのインタビュー等を読みやすくして再録してあります。わざわざ原典を探し歩かなくても、保阪正康がここに集めてくれています。これは楽しみをたっぷりと入手した思いがいたします。
 「東條(英樹)の持ち物は数珠からハンカチに至るまでことごとくなくなる、米兵が記念に盗むのである(重光葵)」には驚いた。