私は実は保阪正康の話を聴くまでは半藤一利の著作を避けてきた。なんで避けてきたのかというと、非常に単純で、彼が元々文藝春秋の社員だったからなのね。どうして?と思われるんだけれど、文藝春秋と云えば、もちろん月刊「文藝春秋」や週刊文春を出している会社でしょ?あそこは立花隆も主戦場としていたけれど、一時期の週刊誌の編集長は、名にし負う極右偏向雑誌の月刊Hanadaの花田紀凱(なんて読むんだよ、この名前)なんだから、そこから嫌いだったのだ。
それで「ノモンハンの夏」とか「日本の一番長い日」なんてのは読んだこともなかった。しかし、保阪正康がどうやら尊敬する人で、ふたりして宮中にあがったりしていたあたりから、この人の書いたものを読んでみようか、と思うようになったのだったろうか。ま、とにかく斜めに構えて、斜めに入っていったという印象かなぁ。
半藤一利がNHKのラジオ深夜便やNHKマイあさラジオで語ったものから再構成したという本で、もちろんNHK出版新書から出版されている。この冒頭で、半藤一利が日本の四十年周期の話をしていて面白い。今はバブル崩壊からの四十年期の中にいるというんですよ。腐った自公政権が国民をなぶり殺しにした四十年とでもいうことになるのかも知れないけれど、その場合の主犯は明確に安倍晋三であり、竹中平蔵でしょうね。この四十年と共に私の人生も終焉を迎えるのかも知れないね。