昭和天皇が音盤に録音して8月15日に放送されたあの時の天皇の甲高い声で特徴的な読み方が違和感があるといわれたけれど、あれこそがかつて朝廷で話された話し方なのであって、あれが普通だったのだという話とか、マッカーサーと昭和天皇が並び立って映った写真が一時的にとはいえ日本国民の目にさらされ(すぐに掲載禁止になった)、多くの国民が愕然となったといわれているが、マッカーサーのあの両手をまるで夏の略服のけつのポケットに突っ込んだ姿は、意図的に正装の昭和天皇を見下ろすためにとった態度なのではなくて、彼は根っからの現場の人間であったからむしろあれこそは彼の日常なのであって、何もそんな意図はないのだというのだ。しかもあの写真は会見の冒頭に撮られたものであって、昭和天皇の到着時にマッカーサーは玄関に迎えることすらしなかったのだけれど、会談後に昭和天皇が辞するときには、彼はわざわざ玄関まで見送りに出ている、つまり会談によって、彼は昭和天皇に対する態度を変えたのだと説明している。
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2009年7月に筑摩から出た本で、半藤一利、保阪正康、松本健一、竹内修司の4人が終戦後から占領下の日本について、4人のうちの誰かがあるテーマについて報告をして、それについて4人が討論をするという形で進む。2012年にちくま文庫から上下となって再刊されている。