磯崎仁彦官房副長官は25日午前の記者会見で、ウクライナ政府がインターネット上にナチス・ドイツの独裁者ヒトラーやイタリアのファシズム指導者ムソリーニと共に昭和天皇の顔写真を並べた動画を配信していたことについて、「ヒトラーとムソリーニと昭和天皇を同列に扱うことは全く不適切であり、極めて遺憾」としたと報じられています。
おや?
磯崎くんは歴史の勉強をしたことがないのかも知れません。
多分三学期になってしまったので、近現代史をすっ飛ばしたのかも知れません。
ウィッキペディアによると彼は「香川県立丸亀高等学校を経て、1983年(昭和58年)3月、東京大学法学部卒業。同年4月、全日本空輸入社」とされています。丸高といえば、香川県でいえば高松高校、高松第一高校に次ぐ進学校とされているはずで、彼も東大法学部卒です。それでまさか歴史に疎いとは思えませんが、第二次世界大戦、そしてアジア太平洋戦争についての知識があまりにも欠落している国会議員であり、官房副長官であるといわざるを得ません。裕仁昭和天皇については米国の方針として、彼の地位をそのままに保ち、現実はどうであれ、天皇制という国体を変革することなく、GHQの直接統治ではなく、間接的な統治体制で占領期を乗り切りました。極東軍事裁判で、豪州出身のウェッブ裁判長は昭和天皇の戦争責任を問うべきだと考えていましたし、ソ連もそれを主張しました。しかし、米国出身のキーナン検事はあらゆる手立てを用いて、それを回避してきたことはあの裁判記録を見た人は分かっています。東條英機が天皇を否定することは臣下としてはできることではないのだと云ってしまって、天皇の立場に言及してしまう結果になりかかったときも、検事側はそれを回避させました。
こうしてみると、第二次世界大戦でファシストとして日本の最高指導者昭和天皇が挙げられても、さすがにこれは否定できる論拠がないと云うことです。歴史を正しく受け止められないのであれば、政治家としてははなはだお粗末であり、彼は国際的に大きな失点を稼いでしまったということです。
それとも香川県ではこういう教育が今でもされているのでしょうか。