NHK ドキュメントにっぽん「われらの再出発~失業サラリーマンたちの6か月~」
1997年製作
厳しい不況の中、東京にある職業訓練校のビル管理科に16人の中高年が入学した。いずれも、バブル経済の崩壊によってリストラや倒産などで突然職を失ったサラリーマンたちだった。それぞれの事情をかかえて最初は会話もなかったが、やがて勉強を教えあうなど友情が芽生えていく。しかし、ビル管理の仕事に就くには、資格試験に合格しなければならない。再出発の日は来るのか、冬の時代を懸命に生きる人たちの半年を見つめた。【語り】相川浩
あれから四半世紀が経った。あの頃、あちこちの会社で早期退職を勧奨する動きが活発だった。「肩たたき」といわれたりもした。冷酷に社員が自ら嫌気がさして辞めるように仕向ける企業の動きがあちこちで語られた時代だった。だから残ろうとする人たちのせめぎあいもあちこちで見た。私が働いていた会社でも同期入社の中から辞めていくメンバーが出ていた。若手にポジションを取られてはならんとする人たちの動きも聞こえてきた。不景気になると、人はいくらでも変われるものなのかと思ったりもした。
そうして職を失った人たちが職安から紹介されて、職業訓練校で半年間学び、資格をとって次の仕事へ出ていく過程の話だった。あの頃を思い出して、画面の中の人たちとともに落涙しそうになる。