ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

暑くて暑くて


 とうとう家から一歩も出なかった。暑かった。ムッとするような湿気が絡んで外に出る気がしなかった。

 昼寝をしたら、変な夢を見た。多分、90年代の前半で、当時所属していた職場の同僚が出てくるんだけれど、そのうちの一人を乗せて借りた車で必死に現場へ急ぐんだけれど、角を曲がるたびに細い道に入り込んでしまい、とうとうニッチもサッチも行かなくなるのだった。しかし、横に乗っている彼は、私が迷っている間、ずっと黙って見ているだけなのだ。多分間違っているとわかっていて、黙っているのだった。多分、私が独りよがりで好きなことばかりやっているので、持て余して、黙っていたのだろう。あぁ、もうダメだと思ったら目が覚めた。ひょっとするとあの頃周りの同僚たちはみんなそう思っていたんだろうなぁ。私の鼻っ柱をへし折り、自尊心を粉々にしてくれた職場だったからなぁ。もっと早く気がつけばよかった。そういう時に限って、周りは知らん顔をするもので、だから余計に気がつかないわけさ。愚かだったわけさ。

 そういえば退職してから2-3年後にあの職場から手伝ってくれないかと呼び出されたことがある。一体なんだろうといってみると、親会社が吸収合併されるので、マークを付け替える全国巡業をやってくれ、という誰でもできる単純仕事だった。当時、毎日自分の目標に向かって地道に歩んでいたのだけれど、それを中断してやるほどの仕事とは思えなかった。ひょっとすると経済的に困っているという噂でも飛んでいたのかも知れない。そうだとしたら、好意を無にしたことになろうか。

 そういえば、ある日偶然本社の前を通りかかった時に、中から出てきた3-4年若い後輩に後ろから声をかけられ、振り返ってしばし立ち話をしたことがある。その後彼が誰かに、私が随分よれた格好で歩いていたと伝えたらしいと聞いたことがあるからだ。その時の格好はといえばサラリーマン時代の背広姿ではなくて、ジーパンに映画会社の友達からもらったノベルティーのジャンパーだったから、そういう格好を見慣れない人たちには「よれた」格好に見えたのかも知れない。本人は格好いいと思っていたんだけどね。

 思いもよらない時に、思いもよらない記憶が蘇ってきちゃうことがあるんだなぁ。