神奈川大学で教鞭をとっておられた常石敬一先生が4月に79歳で、膵臓癌で亡くなっておられたのだそうです。
常石先生といえば731部隊、石井隊の化学兵器開発に関わる研究で知られておりますが、日本の化学兵器開発全般について多くの著作を著しておいでです。
2008年にメルボルン大学で開かれた戦争犯罪に関する国際シンポジウムに、立教大学の粟谷健太郎先生、広島大学広島平和研究所の田中利幸先生、新進気鋭だったハワイ大の戸谷由麻先生と共に発表をされた時まで、私は常石先生の業績を寡聞にして知らず、大いに揺さぶられた記憶がございます。
あれだけの残虐な実験を繰り返した石井四郎に率いられた関東軍防疫給水部本部(731部隊)の関係者のほとんどは戦後、その犯罪性を追求されることなく、多くのデーターはそのまま米国へ持ち去られていたことは広く知られているところです。
2002年に「謀略のクロスロード―帝銀事件捜査と731部隊」という著書を出されていたことに気がついていなかったのはちょっと残念で、隣の区の図書館から借り出してみようと思います。