ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

フル・スカラシップ



 花巻東高をこの3月に卒業する野球の佐々木麟太郎がスタンフォードのフル・スカラシップを得て、来る9月から進学するという報道には正直びっくりした。それ程スタンフォード大は彼の野球選手としての能力を買っているということだ。そこが非常に心配な点でもある。


 なにしろ米国のカレッジ・スポーツ業界(あえて業界という)は日本の大学の運動部とはまるっきし違っていて、一大産業だという点を理解していないと、見間違う。日本では新興の大学が個人スポーツ中心に金をつぎ込んで名前だけでも全国区にすることによって受験生を増やして収入を増やすという発想はあるけれど、学生スポーツで大儲けをするという発想はない。大学駅伝の大チャンピオンである駒沢大学青山学院大がそれによって稼ぐという発想はない。もし見え見えにそういう発想があったら駅伝なんかに力を入れない。何しろあの競技は入場料なんて稼げない。アメリカでもっとも人気のあるスポーツといったらもちろんAmerican Footballに違いないが、どこの大学でも専用競技場を持っているし、より特化している大学だったら、かなり大きなスタジアムを持っている。それくらい商売として成り立っている。つまり大学の名を知らしめる宣伝媒体にとどまらず、商売でもある。かつてアリゾナ大学はフェニックス郊外のグレンデールにあるスタジアムの命名権を持っていた。なにしろ7-8万人は収容可能な全天候型の室内競技場でスーパーボウルすら開催されたことがある。

 だから、佐々木麟太郎のフル・スカラシップが心配だ。彼はそれほどの能力を持っているのか、そしてそれを開花させることが可能なのかという点だ。しかし、スタンフォード大学はそう値踏みをした、ということになる。その点では現時点で成功したといってよいのだろう。結果がたのしみだけれども、9月まで彼は多分語学校で苦しむことになるのでは。

 雨に濡れた花を撮りたくて、徘徊する。



 最後は銀座へ出て伊東屋さんの画材売り場(なんと7階、その昔は裏の建物の地下。登りはエスカレーターがあるけれど、下りは一基しかないエレベーターを延々と待つか、階段を降りる)で、「水性サインペンの極細」を探す。


HOLBENのMAXON procolor II 0.8、0.5そして0.05
PILOT DRAWING PENの0.2
そしてなぜか、横にあったTOMBOWの赤と青のダーマト。
今どきダーマトなんて使う人がいるんだろうか?

 で、キャッシャーに行って並んでいる間に、昔このお店の今は亡き知人からもらったメルシー・カードを探す。取り出して提示すると「お客様、これはもう期間が切れてございます」とおっしゃる。よく見ると有効期限2014年と書いてある。10年前じゃないか、恥ずかしい。すると、突然その店員さんが「ひょっとすると某画伯のお知り合いではないですか?」とおっしゃる。エッ‼と驚くとあぁ、やっぱりと。その古いカードは名前を書くようになっていて、わたしは律儀にもちゃんと名前を書いていた。その名前を見てわかったというのだ。ありがたいなぁ!その某画伯はこの店で過去に何度か個展をやったことがあって、その時の担当者のお一人だったのだ。わたしは個展期間中はしょっちゅう出入りしていたし、某画伯が主催のパーティーなんかにも行っていたからお見知りいただいていた。世の中、油断してちゃだめなのだ。なんだか、ホカホカして帰ってきて、うどんを食べた。寒い時はうどんだ。