オーストラリアといったら南半球にあって、スキー、スケートといった冬のスポーツにはとんと縁がなさそうに見える。それなのに、今回のバンクーバー・オリンピックではこれまでに金メダルを2つ、銀メダルを1つ取っている。日本はといったら今日の女子フィギュアスケートがどうなるか分からないけれど、これまでは銀が2つと銅がひとつ。気がついたらちょっと上をいっている。
クルクルとミズスマシといって顰蹙を買った人がいる「スピードスケート・ショートトラック」や「フィギュアスケート」だったら想像がつくけれど、アルペンやスノボはどうよ、と思う。
首都キャンベラの南西、ヴィクトリア州とニュー・サウス・ウェールズ州との境界に雪山が存在する。そこにはスキー場があって、日本の夏にあたる時期にこっちがシーズンとなるので日本からも合宿にやってくる。もちろんニュージーランドだって氷河があるくらいだからスキー場もある。
しかし、競技選手としてはそんなに育っていなかった。金持ちの子弟が国際競技のシーズンである北半球の冬に貼り付いていた程度だった。
豪州政府は1998年の長野オリンピックの後、the Australian Institute of Winter Sports (AIWS)をたちあげる。2001年には豪州オリンピック委員会がその半分を負担して名前を今のものに変えた。今回のオリンピックが当面の目標だけれど、本当のターゲットは次回のオリンピックのようだ。既報の通りに銀メダリストはカナダからの帰化で、金メダルの二つのうち、一つははオージーとはいえ、殆ど米国にいる女性。もうひとつは昨日中国選手を逆転して優勝した女子エアリアルのLydia Lassila。次回のオリンピックでこの強化策の大きな成果が出るのだろうか。
それにしても当然のことながら豪州の機関の名前にはその略称が「AI」から始まるものがたくさん。