16歳にならんとする先住猫はもう歳も歳だけれど、もともと障害を持って生まれてきた猫で、どうやら此処から先もそんなに長いことはないだろうという点では、わたしと同様ではある。朝飯に起きてくると、わたしの顔をじっと見上げ、目が合うと、「ミャァ〜」と要求する。水と餌を出してやってもまだ「ミャァ〜」という。それは体を擦ってくれという要求なんである。なんだか変なことを覚えてしまい、肩のあたりをさすっていると、ゴロゴロと喜ぶ。冬毛が抜け出してきて、厄介なんである。
若い方は雨の夜に植え込みで泣いていたところを命の恩人たる我が家の娘に拾われてやってきた。ようやく6歳くらいなんだけれど、ここのところ咳が止まらず、そのうえどうも消化器系に問題があるみたいで、弱っている。
*散歩という名前の買い物
冷たい雨が降っているし、昨日は睡眠のコントロールを失敗(コントロールなんてしてねぇよなぁ)して眠くてしょうがないからサボって寝ようと思っていたけれど、気がついたら朝方にお腹が空いた勢いでパンを食べてしまったので、仕方なくパンを買いに出た。こんな氷雨の時は街には外国人の観光客しかいない。