ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

麓郷

 かつて麓郷のとあるペンションに泊まったのは10年ほど昔のことである。当時はそれほど「北の国から」に没頭していなかったので、「麓郷の森」も前までは行ったけれどUターンして帰った。そのペンションの若奥さんから聞いて旭川に向かう山道を行った。この道は確かに素晴らしかった。しかし、もう忘れた。今回も途中から色気が出たけれど、想い出さない。
 で、その「麓郷の森」に向かう途中で、左手にやけに人混みのところがあった。かつてからは考えられないほどの人手であった。帰りに見てわかった。そこが「北の国から」最終話で地井武男演ずるところの材木屋の主人が末期癌の奥さんのために五郎に頼んで建てる寄せ集め材料で造る家があるところだった。こんな時にわたしたちは今更ながら黒板五郎(田中邦衛)が最初に造ったログハウスを見に行った。
 「北の国から」を見て、一番盛り上がったのは異国の地にいた時である。当時わが家では日本人の若い人たちに無理云って遊びに来てもらっていた。そしてビデオ二本を一挙上映会をした。私もそうだったけれど、日本を離れているとこの手のドラマはすっかり心に染みてしまう。その日、みんなで食事をわぁわぁいいながら食べた後で、一挙に見た。全員が顔を合わさない位置を自然に確保していた。涙を見られたくないからである。
 「北の国から」はこうして自分の中ではこのドラマだけのことではなくて、自分の想い出と共に未だに存在しているのである。
 麓郷の森の中にあるレストランで、ビーフシチューを昼食にとる。かわいい量であった。さすがに女性客が多い。