ほぼ足りてまだ欲 その先

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株式会社の病院

http://www.okabe.org/yoji/yoji_docs/021107Hospitalincorporated.htm
 住友銀行の元専務で現在広島国際大学教授である岡部陽二氏の論文「病院経営への株式会社参入の是非を問う」を萬晩報のサイト*1から知った。
 麻生太郎の「株式会社麻生飯塚病院」、「キッコーマン病院」「富士電機病院」等、企業が直営している病院は当然株式会社の病院である。ただ、会社の一部門であるから個別の損益も本来的には重要だけれど、企業としては必要経費と考えてしまえば他の部門で埋め合わせる。現に私がいた会社の病院も首都圏の創業の地のすぐ傍に病院を抱えていて、ついこの前までは組織一覧の中にもちゃんと他の部門と同じように記載されていたし、人事異動も同じように流れてきた。事務部門には他の部門からも異動していっていた。この時点では明確に株式会社経営である。地元地域に完全に解放されていて、この会社の社員としてのメリットは駐車場がタダになったり、割と入院しやすかったり、地方の工場から行くと早く結論を出してくれたりしていた。それ以外はまったく市立の病院に行っていたのと何ら変わりはない。しかし、あの病院は利益は上がっていなかった。
 だから、純粋に株式会社経営の病院というものが成り立つなんてことを考えたこともなかった。なぜならば、岡部陽二氏が言うように配当のでない株式会社は投資家から見てなんら意味がないからである。
 これまた岡部氏の云うように、日本の株主はまったく主張をしない。米国でもそうだが、オーストラリアのシンボル的な企業の株主総会でも何日も続くし、それが当たり前である。しかし、日本の株主総会は未だに(強調しておきたい!)未だに、真に株主に開かれてはいない。あたかも日本の株主は、勝手気ままに好き放題をしている首相に困惑しながらも、そして彼が年金の保険料を払っていなくてもやっぱり票を入れる日本選挙民そのもののようである。